夜美儚
少年は夜が好きだ。布団の温もりに理由を付けて求める必要がないから。そんな理由は母親に言っている嘘である。少年は夜遊びが好きだ。これが本当の夜が好きな理由。
午前0時21分母親はもう寝た。少年ははいつののように鍵を開けて外に出る。
「やっぱり寒いな。そろそろ雪が降りそうだし、雪囲いに行くの面倒くさいんだよな。」
今日は何をするかはまだ決めていないようだ。急に走り出す少年。やっと止まったここは三角窓公園かベンチに座る少年は何か白い息を吐きながら喋っているようだ。
「久しぶりだねおじさん、調子はどうだい」
「おお、少年久しぶりだなまた夜遊びか? お母さん心配するよ。」
少年と面識があるような喋りをするのはいかにも誘拐犯のような見た目をした、見たところ50代くらいのおじさんだ。おじさんは煙草を片手に夜空を見上げる。
「よう少年、俺のこと見えるの君くらいだよ。俺はなとっくの昔に死んじまったんだ。今はこうしてブラブラと夜中を彷徨っているわけさ。」
少年は驚いてはいないようだ。そんな胡散臭い話信じることなんかとても難しいからね。微笑むおじさんは息を呑み、少年は目を閉じる。
「おじさんはさ、夜美儚って何か知ってる?それはね綺麗って聞いたんだ。それはね勇気をくれるんだ。僕はねそれを今探しているの。」
おじさんは自分が話した内容にかすりともしない少年の話に少し驚いているようだ。目を丸めている口が開いている煙草を手から落としている。そんなに驚くような事を言っているのか?
「少年、君は死んでいるのか?」
「何を言っているんだいおじさん僕は生きてるよ。。学校に行って、名前呼ばれてみんなと遊んでるよ。」
「いや、そんなはずはないね だ、、だって夜美儚は死んだものにのみ知れ渡る景色のことだよ。」
それは驚くはずか、私は少年ともおじさんとも別の第三者なので夜美儚など聞いたことはないがおじさんの今の気持ちは本当に驚きなんだろう。
少年は夜遊びが好きだ。死人でも、動物でもなんでも他に合わせることができるから。
夜の小さな街で少年は遊ぶ、日々話相手を求めて。いろいろな話が聞きたいその好奇心で、
ただそれが一番の楽しみだから。少年は私を認識していないただ見守るだけの物が私だから
いつか君の不思議な力で私の気の合う友達として語り合いたいな。
夜は、色々な人がいる、動物がいるそして少年がいるそんな街の住人です.