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黒衣の天使  作者: ちとせ
Ⅰ 学園に上手く潜入出来たようですが……それで?
1/2

プロローグ 天界にて

「短くさせて頂きます。貴方、()()にいかせてもらいますわ」

「は?」


 いきなり何を言っている?

 毎回の理事長さんの説教の最後だと思っていたら。

 ようやく可笑しくなったのか?


「…はぁ。本当に自分の立場が分からないようですね。デスティネアさん」

「いやあのさ、今日にて、もうここの生徒じゃないでしょ?」

「そうですか。では、これから先は?」

「…げっ」


 反論はない。だって、この中学卒業式の日の今日まで、進路は未だに決まっていないのだから。


「ま、まぁ……」

「決まっていませんね。ここまで忠告はしたはずなのに」

「う、うるせぇ」

「成績、態度、熟成。どれ程も欠点ばかり」


 何だよ。言いたい事言いやがって。

 その為にわざわざこっちに頼まれたのかよ。


 確かに、学校の成績はクソだったし、サボったりもよくしたけど。

 だってこんな天界だって、天使とは言え、陽気で楽天的バカ過ぎて、雰囲気耐えられないよ。

 自分が悪かったのも、それくらいは知ってる。


「しかし、貴方の才能を信じています。なので、秘密任務に派遣したいと思います」


 任務? あたしを?

 聞き間違えたかと思い、理事長さんに疑惑の視線を送る。


「…どう言う事、それ?」


 しかし、彼女はただ決まったような笑顔を返す。


「つまり、ただ魔界の高校を通う事になります。ついでに、報告を」

「悪い冗談にしか聞こえないんですけど?」

「いえいえ、これでは、進学が出来ますから。卒業後は、こちら側にお任せ下さい」

「…断ったら?」

「そうですね。そもそも選択は余りありませんから。ニートになりますね」

「マジかよ……」


 魔界か。あたし達天使には適地の同意語。

 つまり、受け取るって事は命を賭けるって事?


「因みに手続きはもう済みましたから、万が一断るとしたら、非常ぉ~に困りますので。ご協力をお願いしますね。力づくでも」

「…そんなに困るんです?」

「そうですね。想像はしない方が良いかも知れません」


 どうやら決まりだな。


 あたしの同意もなく、再び。




「うひゃー、クールだね、ブラックで悪魔っぽい!」

「うるせぇ」


 準備はすんだ。強制イメチェン。

 でも何であいつがいるんだよ。


「黒く染めた長い髪のティナちゃんえろーい!」

「はいはい、ティナちゃん呼ぶな」


 いちいちうるさい。


「にしても、このストラップ、意外な趣味持ってるね~」

「必要装備らしい。しょうがないですよ」


 汚れの防御になるし、それを少し放つ。

 悪魔をやるなら、それは最低限の必要品だ。

 でも何でクロスパターンで腕と、オーバーニーの上での形にならなきゃならないんだよ。

 姉さんが家にいなくてよかった。


「つーか、何でエンジェさんがいるんです、姉さんいないのに」

「そりゃまぁ、担当役だから?」


 え。


「実はみんなにティナちゃんの可愛さを伝えたかったけど、何も持たずに来ちゃった。きゃはっ」


 エンジェリカさんを上司として、いい事起こりそうな……。

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