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第5話 花達の食事、着替えの見張り

「そういえば、揉めたのは朝ごはんを食べた後って言ってたけど、結局何食べたの?」


「冷蔵庫の中を見たら卵とハムがあったから目玉焼きにして食べたわ。皿が2枚ずつしかなかったから2人は深皿で食べることになったけど。まあ、ここではあまり揉めなかったけどね」

「それにフライパンも1個しかなかったからこのままだと全員分の夕飯を作るのは無理って話になって」

「だから今私の家にいる2人が食器や調理器具もかばんに入れて持ってくるはず。このままだとみんなで暮らすには不便すぎるからね。食器も私達全員が一緒に食べるには足りないし」


「元々1人暮らしだし、誰か来てここで一緒に食べることもなかったから食器もそんなに必要なかったしな」


「それにしてもインスタントラーメン多くない?そこに5食入りが5袋あったよ」


「学校ある日だと朝はパンを食べるだけだし昼は購買で購入していてご飯炊いても余るから、夕飯はラーメンにもやしとネギを入れて食べることが多いからなあ。同じ味だと飽きるから月に1回ほどまとめ買いしてる」


「だから冷蔵庫の中にもやしとネギは入ってたのね」


「ラーメンの袋が1種類ないってことは昼はそれを食べたと」


「うん。冷蔵庫の中にあまり入ってなかったからおかずを作ろうと思っても無理だったし、4食分入ってたから誰がどの味にするかで揉めることもなかったからね。お金もないから買い物にも行けないし」

「キャッシュカードも財布の中だったから手元にないからね」

「鍋が1つしか無かったからくじ引きで4を引いた私は25分位待つ羽目にはなったけど…」

「それは悪かったわね。でもくじ引きの効果は今日1日ずっとだから夕飯でもまた同じことになるかもね」

「そうだったわ…。またみんなが食べてる中30分ぐらい待たないといけないのは嫌だよ…」


「まあまあ、今荷物を取りに行っている花が食器や調理器具を持ってきてくれたらこんな事は起こらないと思うから落ち着いて」


4のカードを引いた花をなだめた後、龍生は再び課題に取り掛かり、2人の花はリビングでくつろいでいた。



それから20分後、大きめのリュックを背負った花とスーツケースを持った花が帰ってきた。


「「ただいま」」


「おかえり」

「「おかえり」」


「服は1回目でよく着るものは持ってきたからそれ以外で必要そうなものを持ってきたわ」

「本当はあと1往復して自宅から持ってきたい物がまだあるけど、流石に部活帰りの生徒と会ってしまったら私のことがバレちゃうし」

「まだ置く場所ある?」


「これ以上は少し厳しいかな。置く場所は無いことはないけど収納ボックスは一杯だから床などに置きっぱなしになりそう」


「それなら今持ってきた物を全て置ければあと1往復分ぐらいは大丈夫そうね。しばらくはかばんの中に入れっぱなしになりそうだけど」

「まあ今日はこれで終わりにして着替えたいんだけど、服ってどこに置いたの」

「和室に置いてるよ」

「ああ、これね。タンスやクローゼットには入らなかったの?」

「タンスの空いていた場所は下着を入れたら一杯になったしクローゼットの中に入れようにもハンガーは持ってきてないし。それでハンガーは持ってきたの?」

「持ってきてないわ。鍋、フライパン、食器、タオル、洗面道具、パジャマ、と順番に必要なものを入れていたら入れるスペースが無くなってしまったから」

「それなら仕方ないわね。明日持ってくるわ」


「食器も入れたって言ってたけど割れなかったの?」


「タオルなどで包んで入れたし丁寧に運んだから大丈夫だと思うよ。心配だから今から確認するけど」

「…見ている限り大丈夫そうね」


「それは良かった。さっき食事の話を聞いたけど食器や鍋が足りなくて困ってたみたいだったし」


「本当に良かったわ。みんなの夕飯を作ろうとしてもこのままだと5人分は同時に作れなさそうだったし、同時に食べるのも無理そうだったからね。このままだと他のみんなが食べてる中、自分の分を作る羽目になりそうだったわ」

「「今から私達は着替えるから洗面所に行ってくれない?」」


「そのやり取りはもう3回目だよ!それに今は課題をしているところだから机の所に居たいんだけど」


「そんなこと言って着替えている間にこっちを見たりしない?」

「私がさっきここで着替えた時は後ろを向くことはなかったから多分大丈夫よ」


「多分ってなんだよ。さっきは大丈夫って言い切っていたのに」


「だって、さっきと違って今回は2人同時に着替えるから誘惑も2倍じゃん。」


「それよりさっさと洗面所につれてって。課題がまだ途中だし」


「邪魔にならないように洗面所で着替えよ?」

「私は洗面所で着替えたし2人程度なら大丈夫そうだったよ。4人同時はキツイけど」

「「それなら洗面所で着替えてくる。洗面所に来ないように見張っててよ」」

「2人がかりで洗面所の前の廊下で見張ってるわ。洗面所へ来たら容赦しないわよ」

「見張りに2人もいる?1人で十分じゃないの?」

「そんなこと言ってまた2人きりでイチャイチャされたらたまらないわ。さっきの事もあったし」

「「またって私達が来る前に何があったの!」」

「私が着替えている間に2人だけで熱い雰囲気になっていたわ」

「結局言ってるじゃん。私になんか恨みでもあるの?」

「あるわよ!思いっきり抜け駆けしてたじゃん。それにしてた事が問題ないっていうのならその内容を私が伝えても何の問題もないよね」

「「へ〜。2人だけで熱い雰囲気になってたんだ〜。詳しい話聞かせてもらうわよ」」


「着替えるなら早く行って。集中できないから」


「へ〜。集中できないんだ。やっぱりすぐ後ろで着替えてたらとても気になるんだ」


「そうじゃなくてうるさいからだよ!」


「「そんなすぐに否定されるとそれはそれで複雑な気分なんだけど。女として見られてないみたいで」」


「課題を進めるには大声の会話のほうが邪魔になるんだよ。」


「「ってことはすぐ真横で着替えても気にならないってこと?」」


「…何考えているんだよ!早く洗面所行けよ」


「ほら、龍生の邪魔にならないようにさっさと洗面所行くよ」


花達は4人で洗面所の方に向かっていった。着替える2人が洗面所に行き、残り2人は洗面所前の廊下で龍生を一直線に見つめている。


「だからそこまでしっかりと見張らなくても行かないから。机から離れた途端止めに行くくらいの感じで見張られても…。やっぱり信用していないの?」


「ずっと龍生を見ていたかったから、ってさっきも言ったじゃん。聞いてなかったの?本当はリビングに居たかったけどそうすると着替え中の2人に何言われるか分からないし」

「さっき2人っきりでイチャついてたあんたには見張りを付けていないとまた抜け駆けしそうだからね」

「「その抜け駆けの話、詳しく聞かせてもらうわよ」」

「やっぱり話さないとダメなの?」

「「「ダメよ!」」」

「本人が話さないっていうのなら私が再現するわ。ある程度誇張するかもしれないけど」

「分かったよ。話すからあることないこと勝手に話さないでよ!」


「思いっきり話し声がここまで聞こえてくるんだけど…。まあ、すぐ後ろで喧嘩されるよりはマシか。…って2人っきりだった時の状態を再現されると恥ずかしいんだけど…」


本人が話しているから実際の内容通りだったが、龍生も地味にダメージを食らっていた。


2人の花の着替えが終わったと思ったら、花達が4人とも龍生のそばに寄ってきた。そればかりかみんなで龍生の方を見つめている。


「見ていたいのは分かったから近くからみんなで見てくるのはやめてくれない。こんなに見られていたら集中できないから」


「女の子4人に囲まれてる状況に文句言ってたらクラスの男子に何言われるか分からないよ」

「女の子に囲まれている男子を見ていいなあ、って言ってる男子見たことあるし」

「嫉妬でモテない男子から何されるかわからないよ」


「それはないだろ。むしろ龍生の所に行ってくれてありがたく思っているかも。僕以外のクラスメイトは」


「どういうことなの?理由の予想が付いてしまうのが悲しいけど」


「傷つくと思うからあまり言いたくないけど、みんな花のこと嫌っていたからね…。亡くなったニュースを聞いて悲しんでいる人1人もいなかったし、むしろ清々しているような感じだった…」


「「「「そこまで嫌われてたの…。龍生以外には全員に死んだ方が良いと思われてたの〜!うわ〜〜〜ん!」」」」


泣き出した4人の花を慰めることになり、思うように課題が進まない龍生なのであった。

内容を付け足していったら1日目がなかなか終わらない…。

今の予定では

夕食→花の両親への連絡→入浴など→就寝

までであと2〜3話ぐらいだと思っています。

次回の投稿日は未定です。

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