表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/21

第1話 極秘の同居生活の始まり

2018年9月24日

過去の部分についてプロローグに合わせて内容を追加

後の話に合わせて龍生と花の会話の間に改行を追加

僕の名前は池田龍生。小学生の頃からあまりクラスメイトと馴染めず、友達もほとんどいなかった。小学校5年生の時に相川花が転校で僕の通っている小学校へ来た。隣の席になったのがきっかけで花とよく話すようになり、仲良くなった。他に友達もいないため、いつも花と一緒にいた。この時には花のことが好きになっていたのだと思う。ある日、花からいじめが原因で転校してきた事を打ち明けられた。その時にクラスメイトに誰1人味方がいなかった事を聞き、花が再びいじめられたら僕は花の味方になることを決めた。

中学生の時に相川さんがいじめられていたのをかばったのをきっかけに僕もいじめの対象にされてしまった。みんなから仲間外れにされたり嫌な役目を回されるようになった。花からいじめの内容をいつも聞いていたのでそれと比べれば随分軽いものだった。とはいえ花には僕もいじめられている事に気付かれ、「私なんかと仲良くしたせいで…」と花に罪悪感を与えてしまっていた。花には何があっても味方であることは伝えたが、その出来事がきっかけで少し距離を置かれるようになった。別に気にしなくても良かったのに…。

彼女と勉強の成績は同じぐらいであった。僕と花とお互いの両親で話し合いを行い、彼女と一緒に県外の高校を受けることに決まった。無事合格し、高校生となった。高校生になっても他に友達もできず、いじめられている花をかばう生活がまた始まったのだが、こんなことが起こるとは正直思ってもいなかった…。





















「続いてのニュースです。本日の夕方、月見鉄道で人身事故がありました。この事故で海鳥高校の1年生である相川花さんが亡くなりました。事故直後の証言によると、頭、胴体、両足がバラバラになっており即死とのことでした。次のニュースです。…」


そのニュースを聞いたとき、僕は強いショックを受け何も考えられなくなった。勉強には全く身が入らず、食欲も全く起きず、寝ようと思っても全く寝られなかった。

これからどうしていこうか…。唯一の友達であった花が亡くなってしまったため高校には友達が誰もいなくなってしまった。


(これから何のために高校へ行くのかな…。)


こんなことを思いながら時計を見ると夜中の3時となっていた。その時、インターホンが鳴った。


「こんな時間に…。いったい誰?」


こんな時間に来るような非常識な人がいるのか…、そう思いながらインターホンの受話器を取ると、信じられないことが起きた。


「「「「龍生君、早くこのドアを開けて」」」」


それはなくなったはずの花の声。しかも声が複数重なって聞こえた気がする。


「幻聴かな。亡くなったはずの花の声が聞こえる。僕は本当におかしくなってしまったんだ…」


「おかしくなってないわよ。むしろ私達の方がおかしいことになっているわよ」


「私達?どういうこと?」


「そんなことはどうでもいいから早く開けて」


「分かったよ」


龍生は半信半疑、いや、疑いの方が完全に強いままドアを開けた。疑っているから当然チェーンを付けたままだ。


「本当に花だった」


「いや、だから初めからそう言ってるし。なんでチェーンをかけてるのよ」


「すでに亡くなった人が家に来たとして、何の疑いもなく開ける方が異常だろ」


「それはそうなんだけど…。そんなことより早く開けて」


「分かった」


龍生はチェーンを外してドアを大きく開けた。その結果ありえない光景が目に入ってきた。


「なんで花が4人いるの…。というよりなんで3人は裸なの!」


「それは後で説明するから。とりあえずみんな中に入るわよ」


こうして僕は4人の花をリビングへ入れた。まあ途中で3人の花に


「「「いつまでこんな格好にさせているの。早く服持ってきて!」」」


と赤面しながら言われたのでとりあえず先にTシャツを3枚渡したのだった。



花達は龍生に病院で目覚めてから今までの経緯を説明した。当然その状況を理解できず、思わず聞き返した。


「目覚めたら4人になっていたってどういうことだよ」


「「「「そんなの私にだって分からないわよ!起きたらそうなっていたんだから!」」」」


見た目も花と完全に一緒だし、声もハモっている。全員本物だとしか思えないな。

自分の家の鍵がないから僕の家に向かうのは分かる。だが、それ以上に気になることがある。


「じゃあ、なんで3人は裸でここに来たんだよ」


「「「起きたら裸になっていたし、服も見つからなかったからそうするしかないじゃない!ほんとに誰にも見つからずにここまで来れて良かったわ!」」」


それを聞き心の底からそう思った。仮に裸で歩いているところが見つかったら、それはそれで大騒ぎになる。


「でも勝手に移動して良かったのか?遺体が無くなっていたら病院で大騒ぎになるぞ」


「亡くなったはずの人が生き返っていたらほんとにそっちの方が大騒ぎになるわ。それに1人しかいないはずなのに4人も同じ人がいたらそれでさらに大騒ぎになるでしょ。色々実験されるのも嫌だし」


確かに亡くなったはずの人が4人に増殖してしかも元気に生きていることが分かれば大騒ぎになるというレベルで済まないだろうし、いろいろ調べられるだろう。


「だからここに来たの。大騒ぎになっても困るからしばらく私達をここに匿って」


龍生はそれを了承した。もし僕が了承しなければ他に行くところがないからだ。花達はクラスメイトの家を僕以外全く知らないし、仮に知っていたとしても受け入れてもらえないだろう。今貴重品を入れたカバンがどこにあるかも分からないため遠くへ行くこともできない。カバンは既に回収されているだろうから、何も騒ぎを起こさずに僕たちの手にすることは不可能である。


「「「「龍生、私の合鍵持っているでしょ。私の服を段ボール箱に入れて持ってきて。段ボール箱はいくつか家にあるし服はタンスの中に入っているのを持ってきたらいいから」」」」


「それを男の僕に頼むの?」


「「「「仕方ないでしょ!私が向かったら亡くなったはずの人が生きているって騒ぎになるんだから!当然下着もいれてきてよね!」」」」


「いいのか?男の僕に下着を持ってくるなんて」


「「「「当然でしょ!そうしてくれないと下着を着けずに生活する羽目になるんだから!」」」」


花達は恥ずかしそうに赤面しながら大きな声で言った。


「それよりこんな時間に大きな声で話していたら周りの人の迷惑になるから、もっと静かにしたいと」


「「「「それもそうね。ていうか何恥ずかしいこと私に言わせてるの!」」」」


突然ビンタが飛んできた。それも複数同時に。龍生は少々理不尽に思いながらも服を取りに花の家に向かった。


「これから大変なことになりそうだな…」


龍生は花の家に向かいながら1人呟くのであった

はじめまして、色音糸です。

タグにプラナリアを付けているのはある大きさ以上で切断されるとそれぞれが元通りになり複数人になるという設定のためです。

花はそのような体質になっていることを全く知りません。

増殖要素のあるラブコメが読みたい!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ