表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

小説投稿サイト比較

なろう×カクヨム×マグネット!

作者: 水乃流

●発端、みたいな


 「カクヨム」で昔から温めていたSF作品を公開していました。一方、「小説家になろう(以下、なろう)」では読み専で、異世界ものを中心に読みあさっていました。読んでいるうちに、なんとなく自分でも異世界ものを書いてみたくなりました。とはいえ、ファンタジーといえば、指輪物語とかエルリック・サーガとか、そんな人間なので、流行の転生は書けないなと感じつつ、少しずつ構想をまとめて書き始めていました。

 そんなときに、「カクヨム」で「ドラゴンブックコンテスト」のお知らせが出たので、ちょうどいいかなと思い公開することに。ついでだから「なろう」でも公開してみるかと思っていたら「マグネット!」のことを知って、それなら3つのサイト同時に公開して、どんな違いが出るか見て見ようと思いました。


「異界調整官 ~異世界で官僚、奮戦す~」

https://ncode.syosetu.com/n9263et/

 (お時間があれば是非読んでみてください<(_ _)>)


 余談ですが、「カクヨム」のコンテストは、読者選考がある時点で期待していません。初期はともかく、ランキング表示になる瞬間から、ランキング上位作品がほぼ固定されてしまうからです。だから、腕試しというより少しでも他人の目に触れる機会があるかな?くらいの気持ちでコンテストに参加しています。

 いや、そろそろ「カクヨム」はコンテストにおける読者選考のシステムを考え直さないと、ほんとうに作者が離れていきますよ? 別に「カクヨム」でなければならない、という理由はないんですから。



●ジャンルとタグ、みたいな


 投稿にあたっては、まずジャンルを決めなければなりません。作者にとっては、地味に頭を悩ます部分だと思いますよ。特に「ランキング」を意識する場合には。

 「カクヨム」「なろう」「マグネット」で、ジャンル分けは異なっているので、どのジャンルを指定するのかも、迷うところです。今回は“転生ではない”異世界ものなので、「ファンタジー」にすることは決めていましたが。


 2018年6月時点での、各サイトにおけるジャンルは次の通りです。


「カクヨム」では、「異世界ファンタジー」「現代ファンタジー」「SF」「恋愛」「ラブコメ」「現代ドラマ」「ホラー」「ミステリー」「エッセイ・ノンフィクション」「歴史・時代・伝奇」「創作論・評論」「詩・童話・その他」の12分類。


「なろう」では、「異世界(恋愛)」「現実世界(恋愛)」「ハイファンタジー」「ロー^ファンタジー」「純文学」「ヒューマンドラマ」「歴史」「推理」「ホラー」「アクション」「コメディー」「VRゲーム」「宇宙」「空想科学」「パニック」「童話」「詩」「エッセイ」「その他」の19分類。


「マグネット!」では、「ファンタジー」「恋愛」「ミステリー」「ホラー」「SF」「エッセイ」「歴史」「現代」「VRMMO」「その他文芸」の10分類。


 奇しくも、運営期間が長い程ジャンルが細かく分かれています。当然と言えば当然なのかもしれません。


 個人的にジャンル分けは、作者のためではなく読者が小説を探すための目安でしかないと思っています。複数のジャンルに跨ぐ作品も多いでしょうしね。

 そうした作者の思い、みたいなところを汲み取るのが、「タグ」だと思います。タグにキーワードを指定しておけば、タグ検索で見つけてもらえる機会が増えるでしょう。


「カクヨム」では、最大20文字、8個まで。

「なろう」では、タグを「キーワード」と呼んでいて、最大10文字、15個まで。その他に、運営側が設定した「おすすめキーワード」を設定することもできます。

「マグネット!」では、最大10文字、4個まで。その他に「公式タグ」を指定できます。


 タグ(キーワード)をたくさん登録すれば、検索には引っかかり易くなりますが、内容に沿ったものでないと、読者から呆れられます。

 「マグネット」は、公式タグは豊富に用意されていますが、流行(はやり)から離れた作品だと選択肢が少なくなってしまいます。なので、作者が好きに指定できるタグが4個というのは少ないなという気がします。



●記述方法、みたいな


 投稿する側からすれば、3つのサイトが同じ記述方法を採用してくれていると助かるのですが、そうはいきませんよね。


「なろう」では、パイプ記号と《》でルビと傍点を指定します。ただし、傍点は一文字ずつ。また、《》の前が漢字、あるいは()の前が漢字でかつ()の中がカタカナ・ひらがなのみの場合はルビと判定します。

「マグネット!」では、パイプ記号と《》の組み合わせは「なろう」と同じですが、傍点は単語ごとに自動で割り付けしてくれます。

「カクヨム」は、ルビがパイプと《》、傍点は二重の《》で指定します。また、単語が漢字の場合は、パイプ記号はなくても表示されます。


 慣れもあるのでしょうが、「カクヨム」が使いやすいかな。すべて漢字で構成されている単語にパイプ記号がいらないというのは、使って見ると意外に便利。

 編集画面でも差があって、「なろう」ではルビや傍点を設定しようとすると、確認ダイアログが表示されるのですが、作業がたくさんあるとうざく感じてしまいます。「カクヨム」と「マグネット!」はダイレクトなので、ストレスありません。


 「マグネット!」には、「注釈」という独自の記述方法があります。これは、カーソルを合わせると文字列がポップアップするもので、使い方次第で面白いかなと思いますが、3つのサイトに同じ小説をアップしていると、その手間が面倒です(^_^;)


 あぁ、記述に付随して、プレビュー機能についても書いておきましょう。

プレビューに関して言えば、一番は「カクヨム」ですね。ページ遷移なしで編集画面とプレビュー画面を切り替えられます。記述の違いをチェックするためにもプレビューは必須なので、簡単に使えることが一番です。次点は「マグネット!」。別ウィンドウですがオーバーレイ表示なので、ページ遷移の煩わしさはありません。もっともプレビューが使いにくいのは「なろう」です、これは改善して欲しい点ですね。



●画像、みたいな


 「カクヨム」では、画像を挿入できません。

 「なろう」では外部サイト(みてみん)を使って、「マグネット!」では直接画像を本文に挿入できます。


 小説なんだから、挿絵なんざぁいらねぇよ、という場合にはいいのですが、それでも地図とかグラフとか入れたい場合があるじゃないですか。そうした場合、「カクヨム」は不便だなと。

 でも、「カクヨム」の考え方も理解できるんですよね。公序良俗に反する画像や他人を誹謗中傷、名誉毀損する画像などを投稿されたらどうするか。投稿される画像をひとつひとつ確認する手間を掛けるわけにも行きませんしね。KADOKAWAは、そのリスクを回避したということでしょう。

 一方、逆に振っているのが「マグネット!」。本文に挿絵を入れられるだけでなく、小説ごとにカバーイラストを付けられます。カバーイラストは、既存のものから選ぶこともできますし、自分で作ったデータをアップロードすることもできます。アピールしたい作者には良い感じです。でも、著作権を侵害する画像を使われてしまった場合は、運営側はどんな対応をするんだろうか?と少し心配になります。ユーザーのモラルに任せっきりというのもねぇ。



●複数サイトに投稿するメリット、みたいな


 複数のサイトに投稿する作業は、はっきり言えば手間です。

 記述方法がまったく同じなら、それほどの労力は必要ありませんが、微妙に異なるのでその修正作業は必ず必要です。


 では、メリットはあるのでしょうか?

 読者の目に付きやすい? 確かにそれはあるかも知れませんが、「なろう」以外ではPVもそんなに期待できません。いや、私の小説が面白くないというのはあるかも知れませんが。

 やはりメリットは、投稿時に何度も読み返すことで、誤字脱字を少なく出来るという点にあると思います。修正するのも3倍手間が掛かりますが、間違いの見つけやすさも3倍です。個人的には、これが一番大きいですね。




●まとめて要望、みたいな


 それぞれのサイトに対して個別の要望もありますが、共通した要望だけを書いてみます。


 予約投稿機能に関しては、「なろう」が一時間単位、「マグネット!」が三十分単位になっていますが、任意の時刻ではいけないのでしょうか?予約投稿が重なって、トラフィックが増える気がするんですよね。もしかしたら、PV稼ぐために変な時間を狙って公開するユーザーを心配してのことかも知れませんが。もう少し柔軟性があってもいいかな?と思います


----追記----

 コメントでのご指摘で、「カクヨム」では任意の時間を指定できることを知りました。修正させていただきます。

----追記終わり----


 現時点では、ハイパーリンクはできません。「なろう」だと下部のランキング指定エリアを利用する方法はありますが。画像でもそうですが、変なリンク張られても困るという運営側の意図は分かりますが、クッションページを置くとかホワイトリストを作るとか、やりようはあると思うんですが。


 そして、追加して欲しい機能に「表組み」の機能があります。

 Wikiみたいに使いにくい表組みじゃなく、もっと簡単に使える表があればいいなぁ。と思います。表を使う小説ってどんなだよ、と言われると困りますが。個人的な要望なので。


 読む側の希望としては、コンシェルジュ機能が欲しいなと。

 ユーザーの読書傾向を掴んで、その人に合った小説を紹介してくれる機能。AIを使えば簡単にできそう。ただし、気に入った作品には★(カクヨム)、評価なろう、いいね(マグネット!)を付けることが必須かな。そうじゃないと判断基準がないから。作者のモチベーションにも繋がるからいいんじゃない?


●それぞれの特徴、みたいな


 まず機能面でいえば、後発に分があるのは仕方のないことでしょう。「カクヨム」も「マグネット!」も「なろう」を研究して、より洗練したものにしようとしている印象を受けます。


 例えば、小説管理の画面でも、「カクヨム」では投稿しているすべての作品を一覧で確認できます。同時進行でシリーズ物を連載している場合なんかは便利じゃないかな?とおもいます。

 また「マグネット!」の小説管理では、小説の各エピソードを見るためには「なろう」同様、一階層潜らなければなりませんが、エピソードの順番をドラッグ&ドロップで変更できるのは便利です。降順、つまり新しいエピソードが一番上に表示されるのもいい。エピソードの移動は、小説では機会が少なそうですが、エッセイなどをあとで分類し直す時には楽かなぁ。

 そして、「カクヨム」「マグネット!」では、小説を下書き状態で保存出来ることも良いところです。「なろう」だと、予約を先延ばしすることで下書き状態を続けることができますが、作業が手間で面倒です。


 じゃぁ、「なろう」の良いところはどこよ? と言われれば、PVとブックマークのシステムでしょうか。「カクヨム」にも同様のシステムがありますが、小説ごとの累計PVしか分かりません。「なろう」は日別月別、エピソード毎などのPVを確認できる。これは、作者のモチベーション向上に役立つツールですよ。


 機能面以外だと、「なろう」は圧倒的にユーザーが多いことが特徴でしょう。「カクヨム」は大企業が運営しているという安心感がありますが、それ以外のメリットをあまり感じることはないですね。★(評価)やフォロー(ブックマーク)が少ないのは、単に作品がつまらないからなんでしょう。そして「マグネット」は、やはり新しいだけあってユーザーは本当に少ない。逆に言えば、がんばればランキングにも掲載されるし、画像などで個性も発揮しやすい。スタンプなんて、コメントしやすいシステムを導入されましたし、チャレンジングな姿勢は評価できます。一方で、磁界とかマグネットとか本棚とか、よく分からない機能・用語があって、すべてを活用できていないという気がします。これから、って感じでしょうか。。



●結論、みたいな


 およそ一ヶ月間、3つのサイトに投稿してみての結論めいたことを言うとするならば、手間ではあるけれど無駄ではないな、ということです。実際に違いを肌で感じることで、それぞれのサイトの強みも弱みも分かる気がします。

 次は、別のサイトも入れて、5サイト6サイト同時投稿なんてやってみようかな? ……労力が半端なくなりそうなのでやめておきます。


 お読みいただき、ありがとうございました。



ここ(なろう)では、複数部分に分けるのではなく、ひとつにまとめて公開しています。

「カクヨム」「マグネット」は、項目毎にエピソードを分けています。分ける方が手間のように思えるし、実際そうなんだけど、なんだか「なろう」では一気に投稿した方が良い気がしたので。


サイト比較の続きを始めました。

https://ncode.syosetu.com/n4479ew/

こちらもよろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] アナタもドラゴンブック挑戦者ね。俺もそうです。 ほんとね、読者選考とは別に編集ピックアップとか言ってるけど、締め切り一ヶ月前で670ある作品群(もっと増える)を、 締め切り7月31日 最終…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ