30,情報収集
村を救う手立てになる資料があるのではないかと、絵乃と大介は図書館を訪れ、発電に使えそうな資源について調べていた。
図書館といっても木造平屋の小さくて古びた建物で、学校の図書室に近い。
「やべぇ、俺、本読むの苦手だわ…」
本といえばマンガと図鑑しか見ない大介は、目を擦りながら郷土資料の本をめくっていた。
「しかたないわね。少し休憩しましょう」
図書館に来て約2時間経った15時。天気は小降りの雪。ちょうどおやつの時間なので、絵乃は持参した手作りクッキーとステンボトルに入れたミルクティーを二つのプラスチック製のマグカップに少しずつ交互に注いだ。
サクッ!
「おお、絵乃のクッキーは美味いな」
「ふふっ、そう言って貰えると作り甲斐があるわ」
休みなくクッキーを放り込む大介に微笑みかける絵乃。ダム建設問題でギスギスした雰囲気の村で、少し心休まるひとときだ。
◇◇◇
休憩を終えて二人は電力や郷土史に関する書籍や資料に再び目を通し始めた。現在16時、図書館はあと1時間で閉館だ。
「あぁ、疲れた。温泉入りたい」
大介が調査再開から5分で音を上げた。
「そうね。温泉とまではいかなくても、今夜うちで一緒にお風呂入る?」
「えっ!? 一緒に!?」
絵乃の小悪魔ぶりに頭をポリポリしながら照れる大介。
「…ちょっと待って。温泉…? 大介、ナイスよ」
「お、おう!?」
温泉というワードで何か閃いた様子の絵乃は急いで資料を漁り始めた。
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