プロローグ 最悪の人生の始まり
某文庫にて2次選考落ちをしたために新規執筆を開始します。
感想をいただければ幸いです。
この作品は基本不定期で進行します。
誕生日とは誰もが幸せな節目を迎える祝いの日というものである。
中にはその日が最悪に思う人もいるだろう。
だけど、子供にとっては誰しもがうれしい一日に違いはない。
家の中で家族そろって部屋を暗くして誕生日ケーキをのろうそくをわくわくしながら吹き消す。
この日、ある裕福な一軒家に住まう3人家族の家でその息子の誕生日を祝いケーキを前に微笑ましい空気に満ちていた。
リビングルームに灯るわずかなろうそくの明かり。
3人が寄り添いながら誕生日を祝う。
「おめでとう、勇気」
「おめでとうゆーくん」
「ありがとう、お父さん、お母さん」
無邪気な笑顔が似合う理髪そうな少年。
少年は両親に感謝をしながら吹き消したろうそくを早速取り外し自分でケーキを切りたいとせがんだ。
両親は笑いながら、母親と一緒に少年はケーキを3等分に切っていく。
「ん?」
時刻は夜の7時だと言うのに家のドアチャイムが鳴った。
誰かの訪問だった。
少年が無邪気に「だれー?」という傍らで両親の顔は怪訝な表情を浮かべる。
父親が腰を上げてリビングの電気をつけ玄関先に向かう。
少年と母親は父が来るのを待った。
父の元気に「さぁ、食べようか」といいながらやってくる言葉を待っていた。
だけど、聞こえたのは父親の呻くような悲鳴。
母親が直ぐに父親のことを呼びケーキを切っていたナイフを手にとって少年を部屋の隅に置かれたクローゼットの奥に隠した。
母親は玄関先からゆっくりと歩いてくる何者かを待ち構えた。
少年はクローゼットの隙間から母の背中を見ながら見守る。
次の時、母親が天井高くに打ち上げられた。
少年は悲鳴を抑え息をひそめた。母親を宙に突き飛ばしたのは明るいリビングの中でもどこまでも真っ黒に全身を着飾った長身の人。男か女かさえわからない。いや、もしかしたら人ではないのかもしれないとさえ思った。
母親の上に黒い人は馬乗りになる。母親は必死に抵抗をしナイフで切り付けたが黒い人はまったく怯む様子も見せずナイフを奪い去って母親の心臓にナイフを突き刺した。
少年は一生懸命鳴き声と悲鳴の入り混じる声を手で抑え込み黒い人がこっちに来ないことを願った。
黒い人はテーブルの上のケーキに気づくとぐしゃりと握りつぶして母親の身体に塗りたくって獰猛で獣のような笑い声を上げた。
異様な不気味さ。怖さがあった。
黒い人はそのままリビングを一回りしてみただけでその場を去って行った。
ゆっくりと少年はクローゼットから出て母親の身体をゆすってみた。
母親はピクリとも動かない。
「おかあさん、ねぇおかあさん! おかさぁあああああああああああああん!」
その日、少年は誕生日というものは最悪の日付になった。
プロローグは序章に過ぎません。次から本編が開始です。




