質問
今回のクエストは近くの村のすぐ側にモンスターが住み着いたから退治してくれと言う内容だった。正直こんなクエストにS級冒険者が2人もいれば楽勝なんてもんじゃないだろう。
それよりも、俺にとってはこの道中の2人きりの時間こそが鬼門だ。
「そこで僕は言ってやったのさ、それじゃあカラアゲじゃなくてカラサゲになっちまうってね!」
出発から現在までレイスの謎のジョークがひたすら繰り広げられている。もちろんこちらから話題を提供したり出来ない俺にも問題はある為文句はつけられない。そんな事はお構いなしに上機嫌にレイスは喋る。
「それで、この前僕の仲間が……」
ん?仲間の話になったぞ!こ、ここがカフカとの関係を聞くチャンスじゃないか!?そして俺はなけなしの勇気を絞り出して口を挟む。
「そ、そういえば、勇者パーティはなんか……ハーレム?みたいな噂聞いたんだが…本当か?」
レイスは急に食い付いてきた俺に一瞬驚き、そして押し黙る……。数瞬後、レイスは少しバツの悪そうに答える。
「……あぁ、そう思ってくれて問題ないよ……」
ですよねーはい、正直薄い希望に縋った質問だったので覚悟はできていたので致命傷で済んだ。
「………もしかして、君は僕の仲間に知り合いがいたりするのかい?」
俺の顔を覗き込むようにしながら申し訳無さそうに問いかけてくる。なんだこいつ…!「君の知り合いはボクの一員にして侍らせてるよ〜だ!ざまあ」とでも言いたいのか!?……いや、そんな奴じゃ無いことぐらいは表情と少し接しただけだが人柄で分かる。俺がひねくれ過ぎなだけで純粋に向こうも気まずさを感じているのだろう。
「えっと…あのそっちのメンバーのカフカと知り合いと言うか幼なじみと言うか……いや、もう何年も会ってないんだけどな……いや、ちょっと気になっただけというかなんというか……すまない気にしないでくれ」
そう言うもののこんな風に言えば俺がカフカに気がありそうなのは明らかだろう。……いや、そんな今でもずっと思い続けていたなんてほどのものじゃ無くて…普段ふと思い出すと少なからずあの頃の思い出が蘇って今どこで何をしてるのか思いを馳せるだけで…。だが久しぶりに名前を聞くのがこんな形になるとは思わなかったから少なからずショックを受けていたのも事実だ。
そこからしばらく先程とは打って変わってひたすらに沈黙が続いた。こんな雰囲気にした罪悪感からなにか話題を提供しようと質問したりしたが、持ち前のトークスキルで全ての会話をワンラリーで終わらせてしまい余計気まずくなってしまうのだった。




