出会い②
翌日ギルドへ行き適当なクエストを選んで受付の人に渡す。
「はい!こちらのクエストですね。……あの、非常に申し訳ないのですが…こちらのクエストは2人以上でないと受注できません……も、もちろんジルさんの実力であれば1人でも大丈夫なのは重々承知してますが規則でして…」
「あ、はい、いや、大丈夫ですよ」
どうやら受注の条件を見落としていた。受付の人に変に気を使わせてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいになる。こんな時に気の利いた一言でも言えれば良かったが……。
「ならば僕と一緒に行かないかい?」
と、その気まずい空気をかき消す様に背後から救いの手が差し伸べられる。
「あ、ああ、お願いするよ!」
誰かにこうやって誘われた事のない俺は舞い上がって二つ返事で了承してしまう。相手の顔も確認せずに……。
「ふふ、実は僕もさっき肩慣らしに1人でこのクエストを受けようとして断られたとこだったんだよ。そこに君が偶然やってきたから声をかけさせて貰ったよ。」
俺は振り向いてその声の主を見て固まる。爽やかに微笑むイケメンは昨日俺を介抱してくれた恩人…そして俺の初恋の幼なじみカフカの恋人(?)の“勇者”と名乗った男だ。
「おや?君は昨日の子だね、僕のことは覚えてるかい?改めて見ると…ほうほう、なるほど只者じゃないね。周囲の反応からしても一目置かれているのが分かるよ。もちろん僕も腕には覚えがあるから心配しないでくれ!今回はよろしくお願いするよ!」
そう差し出された手に、一度承諾した手前何も言えなくなってしまった俺は震える手で握手する事しか出来なかった。




