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第38話 迷惑系ライバーを成敗してみた⑦

 トラップメンを全滅させた僕達は、速やかに配信を終わらせてダンジョンを離脱した。

 さすがに場所が場所なだけに、騒ぎが大きくなりすぎたからだ。

 長居すると警察のお世話になりかねないため、さっさと行方を眩ませなければならなかった。


 そして三日後、僕は再び死屍本さんを呼んでコラボ配信をすることになった。

 この前とは違うダンジョンの奥底で、スマホに向けて挨拶をする。


「皆さん、こんにちはー。佐藤キツネです」


「超絶怒涛のダンジョンアイドルこと死屍本レイでーす☆」


 開始から数十秒でリスナー数は数万を超える。

 とてつもない人気だ。

 死屍本さんの知名度も反映されており、コメント欄の盛り上がりが凄まじい。


『キターーーーーーー!!!』


『このコラボ好き』


『今度はどんな企画かな』


『素直に楽しみ』


 反応も好意的なもので埋め尽くされている。

 異性コラボは嫉妬からアンチが生まれやすいそうだが、今回は杞憂で済んだようだ。

 それどころか期待が高まっているのが分かる。

 僕に下心がないことが伝わっている証拠だろう。


 爽やかな雰囲気を意識しながら、僕は配信の本題を語る。


「前回はトラップメンの方々にお仕置きしましたが、今回は彼らの末路をお見せしようと思います」


『末路?』


『アイツら死んだでしょ』


『どういうことだ』


『なにか嫌な予感がする』


『佐藤、いい笑顔』


 不審がるリスナーの言葉をスルーしつつ、僕と死屍本さんはダンジョン内を移動する。

 道中は魔物がまったく出てこない。

 確かスキルで結界を張り、安全地帯を作っているらしい。

 道も整備されて等間隔で蛍光灯もあるおかげで、ダンジョンとは思えないほど快適な通路となっている。


『あ、この道は……』


『わかったかも』


『あのライバーのラボか』


『えっ、誰?』


『気になる』


『おいネタバレすんなよ』


 察しの良いリスナーが行き先に気付き始めているようだ。

 まあ、バレたところで支障はない。

 どうせすぐに発表するのだ。


 通路の先には青い扉があった。

 かなり老朽化が進んでおり、所々が錆びて赤茶色になっている。

 僕は扉に手をかけながら微笑する。


「さて、間もなく到着です。改心して真面目に働くトラップメンをしかと目に焼き付けてください!」


 そう言って扉を勢いよく開いた。

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― 新着の感想 ―
[一言] まさか…死屍本って…そういう…
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