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第27話 人気ライバーとコラボ配信してみた⑥

 その後もいくつかの質問に答えて、ゴブリンの上位種であるホブゴブリンを倒したところで二時間が経過した。

 配信としてはちょうどいい尺だったので、死屍本さんは適当に締めて終了する。

 そして入れ替わりで僕が配信を開始した。

 互いの配信で売名すると打ち合わせで決めていたのである。


 ホブゴブリンの死体に座る僕は、スマホに向かって手を振る。


「こんにちはー、佐藤キツネでーす」


『待ってた』


『さっきの配信ぶり』


『後ろに死屍本レイがいる!!』


『マジか、大物コラボじゃん』


 さっそくリスナー達がやってくる。

 直前の配信から続いて観ている者も多そうだった。

 この配信から参加したリスナーは、背後に映り込む死屍本さんの姿に驚愕している。

 僕は彼女にピントを合わせて紹介をした。


「というわけで今回は死屍本さんに来ていただきましたー」


「お邪魔しまーす! 超絶怒涛のダンジョンアイドルこと死屍本レイでーす☆」


 死屍本さんがハイテンションな挨拶を披露する。

 ポーズやセリフは固定らしく、手慣れた雰囲気を感じた。

 リスナー達も好意的な反応を示している。


『いいね』


『かわいい』


『画面が浄化された』


『佐藤不要説』


 なんだか僕の扱いが雑な気がする。

 さすがはアイドルと言うべきか、周りにも影響を与えるようだ。

 まあ、死屍本さんはコラボ相手なので、リスナーから歓迎される分には問題ないだろう。

 僕は気を取り直して話を進める。


「先ほどまでは死屍本さんの配信にお邪魔して質問コーナーに参加してました」


「ぜひ見てくださいね☆」


「そんなわけで、僕の枠では戦闘指南とレベル上げをしようと思います」


『いつになく平和な企画だ』


『もっと過激にいこうぜ』


『レイちゃんがいるからこれでいいだろ』


『デートかよ』


『爆発しろ……と言いたいが佐藤は死ななさそう』


 コンテンツとして刺激が少ないかと心配したが、反応は思ったより悪くない。

 死屍本さん目当てのリスナーが多いため、むしろ安堵されていた。


「ところで死屍本さんはどんな武器を持っていますか? 無ければ僕が貸しますが」


「大丈夫ですよ! ちゃんと自前の武器があります☆」


 死屍本さんはバッグを漁って嬉しそうに何かを取り出す。

 それは赤黒く錆びた鎖と、使い込んだ形跡のある釘バットだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 最後の一文。キツネの配信を観ていた視聴者たちも私同様に思わず口をつぐんでしまったと思う。配信もしばらく無言が漂っていたのでは。そして、コイツも危ないヤツだと感じたいに違いない。
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