表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/134

第26話 人気ライバーとコラボ配信してみた⑤

 それからほどなくして質問コーナーが始まった。

 僕がダンジョン内を先導し、死屍本さんがコメントを読み上げていく。


「本名は?」


「秘密ですねえ。佐藤もキツネも関係ないのは確かです」


 横穴からゴブリンが顔を出した。

 叫ばれる前にナイフを突き刺して黙らせる。


「年齢は?」


「たぶん二十代ですよ、ええ」


 床のスイッチを踏んだことで、死角から矢が放たれた。

 太腿に刺さったそれを引き抜いて捨てる。

 毒も塗られていないので特に問題ない。


「仕事は?」


「今は配信活動しかしてませんよ。前職も似たようなことをしてました」


 過去を振り返りながら、行く手を阻む魔物を切り裂いていく。

 僕が前衛を担当しているため、死屍本さんまで被害は届かない。

 この前のヤクザに比べれば、あくびが出るほど優しい相手だ。

 破損した武器は遠慮なく捨てて、時には魔物の武器を奪い取っていく。


「好きな食べ物は?」


「肉と刺身が好物ですかね。でも基本的になんでも食べます」


 ダンジョン内で飢えた時なんかは魔物の肉でも食べたりする。

 酷い味でも栄養にはなるのだ。


「今後、どんな企画をするつもり?」


「リスナーの皆さんからの要望もありますし、色々やっていきますよ。犯罪者を殺すのは人気っぽいので、とりあえず続ける予定ですかね」


 答えながら金属バットを振り回し、迫るゴブリンの顔面を殴り飛ばす。

 頭蓋が弾けたゴブリンは白目を剥いて崩れ落ちた。


「持ってるスキルを教えて」


「いっぱいあるので説明し切れませんね。これからの配信で披露しようと思います」


 銃身を切り詰めたショットガンを連射する。

 盾を構えるゴブリンは蜂の巣になって絶命した。


「なんで狐面?」


「キャラ付けです。ライバーになるなら、こういう特徴が必要かと思いまして」


 銃剣でゴブリンの喉を突き刺し、そのまま壁に叩きつけた。

 迸った返り血が僕の顔を濡らす。


「腕はもう治ったの?」


「しっかり生えてますよー。絶好調です」


 僕は腕を回してみせる。

 魔獣に噛み千切られた部分はしっかり生えて回復している。


「死屍本レイについてどう思う?」


「素敵な方ですね。こうして堂々と売名させてくれますし」


「もう! そこは可愛いとか嫁にしたいとか言ってほしかったな☆」


 死屍本さんがぽこぽこと背中を叩いてくる。

 その様子にコメント欄の勢いが加速した。


『イチャイチャしやがって』


『佐藤だけ爆発しろ』


『炎上させてやろうかな』


『もう十分に燃えてるだろ』


 嫉妬と憎悪にまみれたコメントを見て、僕は苦笑するしかなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 爆発しろニキは第2回の配信見るといいよ!爆発してるから。腕だけだし見えないけどwww
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ