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第23話 人気ライバーとコラボ配信してみた②

 死屍本さんは楽しげに手を叩くと、企画について説明を始める。


「というわけで今日はダンジョンを散歩しながら、佐藤キツネさんに質問をしていきまーす! 気になることがあれば、コメントでどんどん聞いてくださいね☆」


「頑張って答えまーす」


『質問コーナーか』


『いいね』


『面白い企画』


『佐藤が一緒ならダンジョンも安全』


『いや、グロすぎて精神衛生的に良くないかも……』


 リスナーの反応はやはり様々だ。

 ただ、概ねポジティブなコメントばかりであった。

 どうやら僕の配信から来た者もいるようで、全体の空気感は悪くない。


 ちなみに質問コーナーは死屍本さんのアイデアだった。

 まずは僕について知ってもらうのが一番ではないか、という意見には感心したものだ。

 さすがは人気ライバーである。

 僕と違って色々な視点から企画を考えているのがよく分かった。

 無論、そのアイデアはただの善意ではなく、死屍本さんが人気を得るための策でもあるのだろう。

 打算も含めて上手く世渡りできる人には好感が持てる。


「ではさっそくダンジョンに向かいましょうー! 信者さんも楽しんでくださいねー☆」


『はーい』


『了解』


『質問考えとく~』


『どこのダンジョンだろう』


『会いに行きたいな』


『佐藤よりレイちゃんに質問したい』


 僕と死屍本さんはその場から移動する。

 ダンジョンはすぐそこにある。

 周辺には専門店や露店が立ち並び、人通りも多いので平日でもにぎやかだった。

 よく利用されるダンジョンは商業的な価値が高く、こうやって環境が整備されているのだ。


 肝心のダンジョンは、古びた石造りの建造物だった。

 円柱状の外観は三階建てくらいで、地中には広い空間が隠されている。

 壺のような形と言えば分かりやすいかもしれない。


 死屍本さんはスマホでダンジョンを映しながらテンション高めに紹介する。


「今日はこちらのダンジョンに潜りまーす! 初心者向けでおなじみの"木漏れ日の墓"です☆」


『おお、良いチョイス』


『弱い魔物しか出ないダンジョンやね』


『あちこちに回復スポットと脱出ポータルがある』


『安全そうな場所で何より』


 ここのダンジョンは難易度がとても低い。

 コメント欄にある通り、多くの救済措置があるので安全に探索できるのが特徴だ。

 専門学校の実習で使われることもあるらしい。

 今まで僕が配信で潜ったところとは大違いだった。

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