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専業主夫の探偵推理  作者: 如月いさみ


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試験合格! 新たな未来へ

 3月10日。

 合格発表。運命の日である。

 

 正義は一途と心を送り出すと家事を済ませてアパートを出た。

 渡井静子が待っており

「行ってらっしゃい」

 と笑顔で正義を見送った。

 

 彼女なりの思いやりである。

 

 正義は笑顔で

「はい、行ってきます」

 と手を振り、足を進めた。

 

 一途も家で見送ることを言ってきたがそれを断った。

「今日は結果を見に行くだけだから」

 その代わり合格していたら今夜家で一緒に喜んでくれる?

 

 彼女は微笑んで

「もちろんよ」

 お祝いしましょう

「連絡を待ってる」

 と心と一緒に仕事へと向かったのである。

 

 正義はすぅと息を吸い込むと

「よし」

 と三ノ輪駅から列車に乗り込んだ。

 

 文京駅で真理が待っており正義は合流して東都大学のキャンパスへと足を進めた。

 空は晴れ渡り明るい光りが注いでいた。

 

 専業主夫の探偵推理

 

 東都大学に合格しても不合格でも引っ越すことは決まっていた。

 東都大学と同じ日に封書で合否が送られてきた横浜大学は合格で送られてきた。

 

 前に発表があった東都教育大学も合格だったので法律の勉強をできることに違いはなかったので神楽進が用意してくれていた本宅の一角へと引っ越すことになっていたのである。

 

 3月15日の晴れ渡った空の下で一途と結婚した日から暮らしていたアパートから荷物が運び出されるのを見つめ正義は心を抱っこ紐で抱っこしながら隣で同じように感慨深く見ている彼女の手を握りしめた。

 

「これからまた新スタートだからね」

 一途さんと心ちゃんとお義父さんと各務君とで頑張って行こう

 

 正義に一途は笑顔で

「そうね、4月から東都大学で白露君と一緒に大学生ね」

 頑張って正義君

 と告げた。

 

 そこへ渡井静子が一冊のアルバムを手に姿を見せた。

「これね、前に町内会で海水浴へ行ったでしょ?」

 その時にみんなが撮った写真をアルバムにしたのよ

「記念だから持って行って」

 

 正義は一途と共に笑顔で受け取り心に

「これ心ちゃんの初海水浴のアルバムだよ」

 と見せた。

 

 心はそれを見ると

「こころー」

 と指をさし

「わたおばたん」

 と渡井静子を指差した。

 

 静子は涙を浮かべながら

「心ちゃん、いい子ね」

 あー寂しくなるわ

 と言い、笑顔を浮かべると

「でも新たな旅立ちに涙は禁物ね」

 と笑った。

 

 正義も目を潤ませると頭を下げて

「今まで本当にありがとうございました」

 渡井さんがいなかったら俺

「本当にどうしていいのか分からなかったです」

 と見つめた。

 

 考えれば彼女が最初にこの道の先を指差してくれたのだ。

 

 静子はにっこり笑って

「なに言ってるの」

 私の方こそ助けてもらってきたわ

 と言い

「もちろん、これからも依頼するから覚悟しておいてね」

 神楽君が何処にいても

「私は一番の依頼者だからね」

 と告げた。

 

 正義は頭を下げると

「更に精進して渡井さんの依頼をこなせる探偵になります」

 と答えた。

 

 一途も頭を下げると

「これからも正義君をよろしくお願いします」

 と告げた。

 

 そこへ見送りに来た真理が姿を見せて

「そうそう、俺達の探偵社の一番のお得意さんだからな」

 と笑って告げ

「大学行ってても依頼はこなしていくからな」

 と笑みを浮かべた。

「で、実は今日来たのは梓から連絡があって呼びに来た」

 向日葵さんが夢を見たんだって

 

 それに心が手を上げると

「はーいー」

 と返事をした。

 

 正義は心を見て

「え?」

 心ちゃん、それは俺の返事だよね

 と言いプッと笑うと

「じゃあ、心ちゃんもそのうち探偵だね」

 と告げた。

 

 一途はクスッと笑い

「そうね、心は心の進みたい道に行かせたいわ」

 と微笑み、正義に手を伸ばすと

「いってらっしゃい、正義君」

 と心を受け取った。

 

 正義は抱っこ紐を外して心を一途に預けると

「じゃあ、一途さんに心ちゃん」

 行ってきます

「渡井さん、ありがとうございました」

 また来ます

 と言うと真理と共に藤堂が運転する車へと乗り込んだ。

 

 一途と心も静子に挨拶をすると久守晴馬の車に乗り込み、2年近くを暮らしたアパートを後にしたのである。

 

 正義はミラーに小さくなっていくアパートを見つめ、一度振り向くと

「ありがとう」

 色々あったけど道を開いてくれた場所

 と言い前を見つめ

「これからこの道を進んでいく」

 ずっと

 ずっと

「決めたこの道を」

 と呟いた。

 

 進む先の道を明るい陽光が爽やかに照らし出していた。

最後までお読みいただきありがとうございました(*´ω`)

感謝一杯です

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