レーラ先生、お願いします!③
大豆加工食品を普及させることは、嫁に対する裏切りか?
いや、そんなことは無い。
それもまた、リアルが証明している。
大豆加工食品が普及しても、代替肉って、やっぱり代替品でしかないんだよね。
“本物”の価値は安い大豆性の代替肉の普及により、その地位を押し上げる。
「本物の肉=高級品」という図式が成立し、逆に畜産業界が息を吹き返した。
当時の畜産業界はどこも値下げ要求が厳しく、餌代などで青色吐息だったんだよね。
そこで一般食品から高級食品に切り替わる事で生き残ることが出来たわけだ。
……もっとも、少なくない畜産農家が撤退したのも事実だけどね。
いやあれは病気とか自然災害による被害が相次いだっていうのも撤退の理由だったはずだ。
代替肉ばかりが悪じゃない、と思う。
あと、代替肉は完全互換にならない。
味や栄養価など、誤魔化しきれない部分が多すぎた。
市販の代替肉でトマトソースを使ってミートソースモドキを作ってみた事があるけど、不味くは無かったけど、やっぱり代替肉だってすぐに分かる。
どれだけラードやヘッドを足そうが、肉の旨味を再現できない。
言葉は悪いけど、健康志向というオブラートで包んだ、「貧乏肉」という印象が強い。実際、本物の肉と比べるとかなり安いし。
作ってもらう理由も、基本は庶民用である。ゲーム内はまだ現代レベルではないから、どうしても肉を食べれない貧困層があるので。
だから安心して開発に乗り出して欲しいと思う訳だ。
「本当ですか?」
「本当だよ」
俺の誠意ある説明により、レーラは疑わしいがやってみようという所まで感情が揺れ動く。
これでも長い付き合いのため、俺の事を信用してくれるようだ。
しぶしぶ、ではあってもレーラが仕事では手を抜かない事を俺は知っている。
やると言ってくれたのだから任せてしまえば安心だ。
こうしてレーラは「代替肉用の大豆」の開発に乗り出すことになった。
が、その前に「代替肉」がどんなものかを理解するため、どんな大豆が求められるのかを調べるために、料理開発をする羽目になるのであった。




