レーラ先生、お願いします!②
レーラは俺の要請に対し、難しい顔をして見せた。
やってやれないことは無いか? 本当にそれできるのか。
そんな事ではない。
やった後を考えると、それがどういう結果を生み出すのか考えると、躊躇するに足る懸念があったからだ。
「精進料理。
大豆を使った代替肉。
豆乳。ココナッツミルクなどの植物ミルク。
本当にこんなものを作るのですか?」
俺が頼んだのは、大豆製品の拡充だ。
ついでにココナッツミルク。
一応、これらはリアルにおける食の歴史の流れを踏んでいる。
2000年代初期に大豆の輸入・輸入で何か問題があって、そこで大豆の使い方に関して大きな議論があったらしい。
で、目を付けられたのが我らが日本に伝わる大豆製品。
もともとオーガニック食材だとかオリエンタルブームだとかで注目されていたらしいけど、そこで日本でもあまりメジャーではない大豆料理が大量輸出された。
その中でも注目されたのが代替肉で、ヘルシーだとか環境問題だとかで一気に広まった。
ヘルシーはともかく、環境問題とは畜産の非効率性の指摘でもあった。
畜産とは実に効率の悪いたんぱく質確保手段で、現代人は動物の肉ではなく畑の肉でいいじゃないかという風潮があったらしい。
実際には植物性タンパク質と動物性たんぱく質は全く異なるものだし、一概に比較すべきではない。
だが、動物愛護団体だとかベジタリアンだとか、一部の連中が自分たちの金もうけのために暗躍して、「植物由来の肉を食べよう」という意見が一気に広まったのだ。
あと、科学的根拠として挙げられたのが、動物を育てて食肉にするまでのプロセスの煩雑さや生育期間。コストの問題だった。
そこで消費される餌を見れば費用対効果は一目瞭然で、豚や牛の肉を得るまでにどれだけの穀物が必要とされるのかと言い出した。
あとは土地の有効活用や、家畜の臭いによる周辺への被害など、様々な事を訴えだした。
嫌な話だが、ここまでの流れは畜産否定の流れであり、話の進み方次第では畜産の将来性を潰しかねない。
ラルーニャの旦那がそんな事をしていいのか。
レーラはそう言っているのだ。




