レーラ先生、お願いします!①
「うん、良いワサビだよな。さすがレーラ」
「ありがとうございます、町長」
鰻丼は美味しい。
鰻の焼き方やタレはどんどん洗練されていき、徐々に町でも信者を増やしつつある。
最初期は忌避されがちだった鰻も、今では町の定番と言える。
ありがたいことに鰻は安く大量に供給されるので、いいお値段になる日本の鰻丼と違い、ゲームの鰻丼は庶民の飯として市民権を得ているという訳だ。
そうやって美味くなっている鰻丼だが、鰻の焼き方やタレだけでなく、一緒に付いてくる「ワサビ」もまた、進歩している。
普通は山椒を使う。
だが、俺はワサビを使う方が好みに合ったので、ワサビばかり使う。
鰻にワサビの組み合わせは、蒲焼きよりも白焼きや、茶漬けのひつまぶしが一般的である。
だからこのワサビは俺の好みに合わせ、わざわざレーラが用意してくれたものという訳だ。
「町長の好みはよく知っていますからね」
俺の賞賛に対し、レーラは「当然」とばかりに大きな胸を張って答えた。
彼女にしてみれば、「この程度は朝飯前」というか「これぞ私の得意とする分野」と言ったところだろう。
自信たっぷり、余裕の笑みである。
「町長、漬物はどうですか?」
「素朴というか、鰻を邪魔しない味だね。箸休めにちょうど良いね」
「うん、うん。それも自信作なんですよ」
鰻丼を食べるときにサラダというのは、雰囲気に合わない。
よって鰻丼の日は野菜が不足しがちである。
レーラはそこを気にしており、「鰻丼に合う漬物」の開発を頑張ったという。
「この漬物は濃い味付けにせず薄味でも美味しく頂けて、たくさん食べられる物を目指しました」
作物関係のスペシャリスト、レーラことヴァレーリヤ。
「食」の分野でラルーニャを支える、縁の下の力持ち。
彼女の貢献は、分かりにくい部分もあるがとても重要である。




