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それいけアセリア探検隊⑧

 さすがに横穴そのものを爆破してしまえば洞窟が浸水する事はないようだ。

 本道の崩落などもなく、目的の場所だけを崩す事に成功する。

 その昔、海で散々爆破をして経験値を稼いだのが功を奏したのだろう。



 そこまでして辿り着いた、海岸洞窟の奥。

 2kmも先に進んだ場所にあったのは、拓けた場所にある大きな地底湖だった。


「ははっ。こりゃ凄いな」

「きれー。おねーちゃんにもみせてあげたいなー」


 どんな仕組みになっているのか。

 天井の一部に大きな穴が空いており、そこから月明かりが差し込んでいる。

 また、月の光が途中にある水晶で乱反射し、この場所全体を綺麗にライトアップしている。


 以前に考えていた、観光資源として十分な光景であった。



 ただし、問題が無い訳ではない。


 洞窟を歩く事、片道1時間。

 そこまでしないとこの光景を見る事ができない。それでは見る事ができる人を大きく制限してしまうだろう。


 日本の観光地の中には岐阜の養老の滝のように、山道を1.2kmほど、30分ぐらい歩かねば見れない場所もある。

 山道なので慣れない人は帰りはともかく行きは途中で休憩するほど疲れるし、それを考慮し途中までシャトルバスが出ていたりもする。

 およそ半分の距離でこれなのだ。倍近い2kmなら、何らかの配慮が必要かもしれない。


 最悪な事に、洞窟は足場が悪くツルツルして滑りやすい。

 道も曲がりくねっているので、手すり代わりのロープに頼るのではなく、真っ直ぐに歩きやすく整備した方が良いだろう。

 不幸中の幸いだが、道中に見るべきものは無いので気兼ねなく整備できる。



 見るべきものを見た。

 そう思った俺はアセリアを連れ、残る調査をスタッフに任せて洞窟を出る。


「ね、おにーちゃん」

「なんだ?」

「また、こんどはおねーちゃんもいっしょに来よーね」

「ああ、そうだな」





 ゲーム内で数年後、この洞窟は、島随一の観光スポットになる。

 主に恋人たちが好んで訪れるようになるのだが、あまりの来訪者数に人数制限が設けられるほどの人気となる。

 洞窟にはトロッコが設置されており、奥に行くまで10分とかからない。中にはトロッコに乗りたくて来る者もいる。



 ただ、もちろんそれ以外の人も来る訳で。

 たまにと言える頻度で、仲の良い姉妹と付き添いらしき男性の姿が見られるという。


 当然それは俺たちの事だ。

 アセリアの頼みで、俺たちは何度も足を運んでいる。


 第一発見者の名前を冠する「アセリア月光天蓋」は、晴れた日に限り公開中。

 今日も今日とて、多くの人の心を奪うのだった。


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