それいけアセリア探検隊⑦
ぱぁん、と風船が破裂するような音を立てて、コンクリートブロックがぶっ飛んだ。
その後は地響きのような重低音を奏でて海水が流れ込む音がする。
横穴を埋めようとして3日目。
3度目の挑戦が失敗した。
横穴から海水が流入している事は、横穴を塞いだ初日に確定した。
なので、ここを塞いでしまえば後はなんとかなると思った。
だけど、その「穴を塞ぐ」というのが非常に難しかった。
「ま、手抜きはできないなぁ」
「またこわれちゃったねー」
最初は洞窟の横穴を木の板で塞ぎ、その上をそこそこの量の土砂で覆ってみた。
当たり前のように吹っ飛ばされた。
次は鉄の棒をいくつも持ち込み、現地で穴をくぐらせ格子状の骨組みにして、後は魔法で石を整形して鉄筋石材にして穴を塞いだ。
鉄筋の太さは10cm、壁は1m。けっこう自信があった。
周囲と一体化させるように仕上げたはずの壁が簡単に崩されたときの俺は、ずいぶん間抜けな顔をしていたという。
3度目の正直。
今度は大量のコンクリートブロックを持ち込み、横穴をちょっとでも奥からせき止める事にした。海で波を弱める為のテトラブロックと同じ発想のつもりである。
時間の関係上、横穴の入り口はやっつけ仕事で塞いだけど、奥の方はあえて完全に塞ぐ事はせず、ブロックの隙間を通る間に勢いが消せればと思ったんだ。
だけど願いはむなしく、残ったのは破壊されて何の意味も持たないコンクリート片だけであった。
こうなると、最後の手段しか無い。
「久しぶりだな、コレを使うのも」
用意したのは、爆弾。
天井を意図的に崩落させて、横穴を奥の方から完全に塞いでしまおうと考えた。
崩落がちゃんと意図通りの範囲で収まるかどうかが読み切れなかったので自重していたけど、ここまで来れば致し方なし。やってしまおうと決意した。
一応、地上に大きな影響は出ないはず。
洞窟があるのは、けっこう大きな切り立った崖なのだよ。よって上には特に大きな人工物は無く、手つかずの森が広がっている。
「なんでここまでするの?」
「男の意地だよ」
「アーシャ、よくわかんない」
発破の準備を整えた俺に、アセリアが根本的な質問をした。
答えはしたけど理解はされず。
男のロマンは常に孤独だ。
「大将! 準備ができやした!」
「応!!」
理解されずとも、一歩前へ。
俺は横穴奥に設置された爆弾のスイッチを押した。
ぽちっとな。




