それいけアセリア探検隊④
「暗いからなー。全く綺麗と思えん」
有名な海岸洞窟は、だいたい風光明媚な観光スポットだ。
美しい景色だからこそ、有名なのだよ。
しかし、島の海岸洞窟は綺麗でも何でもない。
外から自然光が入ってこないので、ライトアップされないからだ。それに、ああいった洞窟は船が入れるほどの水深を誇るので、そういった環境条件が重なって美しい光景となるのだ。
つまりこの洞窟、今はただの洞窟でしかない。誰も観光には使わないだろう。
「時間限定ってのはウリになるかもしれないけど。だからどうしたって話だよな」
この洞窟は意外と奥が深い。
観光資源として使えないのであれば他の何かに使えるといいんだけど。
ぱっと洞窟の有効活用法を思いつくはずもなく、時々文句を口にしつつ、昨日よりも先に進む。
今日も途中で引き返した。
洞窟の中の確認は必要だけど、徒労に終わりそうだと思うと足取りは自然と重くなった。
「よーし! しゅっぱーつ!!」
「おー!」
洞窟探索3日目。
とうとうアセリアを連れて行くことにした。
アイボルトの埋め込みを進めているけど、このままいくと洞窟の途中まで進んで時間切れになると思われる。
足場の悪い洞窟では1時間では片道1㎞も進められればいい方で、先を見通せないので断言できないが、途中までしか探検できそうにない。
小さなアセリアの足であれば、今日のアイボルト分まで進められればいい方だろう。
今日からは埋め込み作業を専門とする部隊を先行させてある。
俺はアセリアと二人、洞窟をゆっくり歩いていく。
「うえぇー。手がべとべとー」
洞窟の中は、普段は海中に沈んでいる。
その為、足場もそうだが、壁も海水で濡れている。石灰の壁が海水でわずかに融けて触り心地が良くない。
かといって安全のためにも壁に手を付けないという選択肢は無く、ぬめりのある壁の感触を我慢しながら歩いていく。
そうやって歩いていると、しばらくして。
「おにーちゃん。あれ、なに?」
アセリアが何かを見付けた。




