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それいけアセリア探検隊③

「ところで。なんでランタンなの? 魔法でいいじゃない」

「分かっていないな。雰囲気重視――冗談だよ。火を洞窟内に持ち込むための準備だよ」


 洞窟の外部調査は5日ほどかかった。

 洞窟内も魔法の『ライト』で照らし確認したので、ようやく本格的な内部調査が行われる。


 ただ、『ライト』で照らすその様子を見に来ていたラルーニャが、なんでランタンや松明を使っているのかと聞いてきたのだ。


 答えは簡単。

 毒ガスなどの調査のためだ。


 洞窟ではお約束のネタなので俺としては当たり前の話だったのだが、よくよく考えると島で洞窟が見つかったのはこれが初めてである。

 ラルーニャが洞窟探検のお約束とか基礎知識を持っていないのは不思議でもなんでもなかった。

 同じ探検隊メンバーには説明したが……ラルーニャはメンバーには入っていなかったので、聞いていなかったようである。





「お土産よろしくねー」

「無事に帰ってこいよー」


 お見送りの集団から声援を受け、俺たちは洞窟に足を踏み入れた。

 洞窟内部は海水が流れ込み川になっている部分がほとんどだが、人が歩ける場所がちょっとだけあった。

 まずはそこを通っての調査になる。


 水に足を入れての調査は、体温が奪われるし波に足をとられるなど危険度が高い。

 船を浮かべることも検討したが、残念ながら船を浮かべられるほど水深が無い。歩きで探検するしかなかった。



「コンコンコン、っと」


 洞窟の側面にアイボルトを打ち込み、アイボルトの輪っかにロープを通す。

 このロープが俺たちの命綱である。


 アイボルトの打ち込みは、まず穴をあけてから穴の掃除をして、速乾性・耐水性・耐塩性に優れた接着剤を穴に流し込み、アイボルトを入れて固定するやり方だ。

 ここで重要なのは穴の掃除で、下手に岩の粉が混じると接着剤が劣化し、アイボルトが簡単に抜けてしまう。

 接着剤を使う時は粉っぽさが出来るだけ無くなるように、きちんと掃除をしないといけないのだ。



 そうやってゆっくりと作業しながら移動していれば、時間切れになるのも早い。

 探索可能な1時間で、たった100mしか進めず初日は終わった。


 当たり前だけど、何か目新しいものが見つかるといったイベントは、まだ無い。

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