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「さっきも言った通り、私には知識しかないわ」

 そう、結局はすべてが憶測でしかないのだ。だから、経験を積んでいるスキアの協力が必要不可欠。

「作戦は考えてるわ。 だから、貴方の経験を踏まえての意見がほしいの」

その作戦は、あまりにも隙がなさ過ぎて、スキア自身こんな攻め方をされたらひとたまりもないと肝を冷やすほどだった。

 セレーネの父親が逃げたと思われるのは彼女らの別荘。

 少し離れた離島に建てられたものだそうだ。

 今はそこに向かって船を走らせているらしい。到着予定はあと30分後。

「父も、そこそこ有名な人だから警備を雇っていると思うわ」

「その警備を俺が引き付けている間に、セレーネが父親を――」

 えぇ、とセレーネは頷く。

「まぁ、あと少しは時間があるわ。 それまでゆっくりしていて」

 そう言うと、セレーネはどこかへ行ってしまった。

 気を使ってくれたのだろう。

 スキアは考える。この状況のこと、彼女のこと、依頼のこと、そして、これからのこと。

 組織に裏切られたスキアは、正真正銘殺し屋としての人生わ終わったといえるだろう。

 セレーネが気絶させたあの男が、情報を伝えれば、近いうちにまた刺客が来るに違いない。

 逃げるか、迎え撃つか――

 そういえば

「セレーネはどうするんだ?」

 セレーネもこの先何もないということはないだろう。

 少なくとも、ボスが放っておくわけがない。

 一緒に逃げるか

 いや、いくら知識があろうと、所詮は子供だ。いつ足手纏いになるかもわからない。

 ならば殺すか――。



 こうして時間は過ぎ、船の揺れは治まった。

「着いたわよ」

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