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片道15分の恋人  作者: 桜庭かなめ
特別編 in 2016

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1月1日(日・祝)

『紅組が優勝しました!』


 2016年の紅白歌合戦は紅組が優勝した。僕が観た感じでは白組が優勝したかなと思ったんだけど、その予想を覆す結果となった。紅組の司会者である女優さんが驚いているのが印象的だ。


「やっぱり紅組が優勝だったね!」

「そうだったね。票は白組が多かったから、まさか紅組が勝つとは思わなかったよ」

「……正直、私もそう思った」


 それでも、観る前から紅組が優勝すると予想していた栞はご満悦のようだ。そんな彼女は僕の手をぎゅっと握っていた。大トリで歌ったアイドルグループの曲が結婚式の定番ソングだったからかな。ちなみに、そのとき、彼女は僕のことをチラチラと見ていた。


「これで、本当に今年が終わるんだね」

「そうだね」


 気付けば、2017年まであと1分を切った。


「悠介君、今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします」

「うん。よろしくね」


 僕と栞はテレビを観ながら、2017年を迎える瞬間を待つ。


『2017年まで……3、2、1!』


『Happy New Year!! 2017年あけましておめでとうございまーす!』


「あけましておめでとう! 悠介君!」

「おめでとう! 栞!」


 2017年になって最初に栞と目を合わせると、栞が笑顔で僕に頭を下げてきた。なので、僕も栞に向かって頭を下げた。


「今年もよろしくね、悠介君」

「よろしくね、栞」


 すると、やっぱり……栞は僕のことを抱きしめてきた。ここは栞の部屋ではなくリビングだけど、栞の御両親は午後10時過ぎくらいに寝てしまったのでいいか。僕も栞のことを抱きしめる。


「あの……さ、悠介君」

「何かな?」

「……今年最初の口づけをしたいんだけど、いいかな?」

「……いいよ」


 栞のことを抱きしめ、こんなに顔を近づけた状態で断るわけがない。

 すると、栞はゆっくりと目を瞑った。僕からしてほしいってことかな。

 僕はそっと栞に口づけをした。2017年になっても、栞の唇はとても柔らかくて、温かくて、ちょっと甘かった。


「……今年もいい年になりそう」

「僕もだよ」

「でも、まずは大学に合格しなきゃ、だね」

「うん。一緒に合格して、一緒に大学に通おうね」

「……うん!」


 2017年は僕と栞にとって、大事な1年になる。受験に合格して、4月からは栞と一緒に楽しいキャンパスライフを送ることができるように頑張ろう。


「じゃあ、そろそろ寝よっか、悠介君」

「そうだね。紅白を観たら眠くなっちゃった」

「悠介君ったら子どもだなぁ」


 栞から2017年の初笑いを取ったところで、僕は栞と一緒に彼女の部屋に戻り、ベッドの中に入る。


「……すぅ」

「栞、もう寝てるよ」


 眠たいって言った僕のことを子どもだって笑っていたのに。そう言う栞も紅白の終盤頃には眠たそうにしていた。


「……おやすみ」


 栞の頬にキスをして、僕も眠りにつくのであった。



 朝になって、僕と栞は御両親と一緒におせち料理とお雑煮を食べた。そのときに栞の御両親からお年玉をいただいた。毎年恒例になってしまっていて、ちょっと申し訳ない気持ちに。大切に使わせていただこう。

 僕は栞と一緒に近所の神社に初詣に行く。そのときに栞は僕がクリスマスにプレゼントした手袋を付けていた。嬉しいな。

 元旦だけれど、晴れていて日差しの温もりを感じられるからか、僕達のように初詣に来ている参拝客が多くいた。

 参拝の長い列に並んでからおよそ15分。やっと僕と栞の番になった。


「はい、栞」

「ありがとう」


 僕は栞に5円玉を渡した。栞と出会えたご縁を大切にしましょうという意味で、毎年賽銭をするときは5円と決めている。

 僕と栞は賽銭箱に5円を入れて、二礼、二拍手、一礼。最後の礼の時、大学受験に合格しますように、栞と一緒にいられますようにとお願いした。


「ねえ、悠介君。何をお願いした? 私は受験に合格しますようにってお願いしたんだ。あとは悠介君とずっと一緒にいられますようにって」

「僕も同じことをお願いしたよ」

「ふふっ、やっぱり」


 栞は嬉しそうに僕と手を繋いできた。

 って、あれ? こういうときのお願い事って、他の人に言ったら叶わなくなるんじゃなかったっけ? ……まあ、そんなことを覆すくらいに勉強して、大学に合格をすればいいんだ。頑張ろう。


「ねえ、悠介君。おみくじやっていこうよ」

「おっ、いいね。やろうか」


 去年は確か中吉だったな。今年はどうなるかな。中吉以上を引きたいところ。

 巫女服姿のアルバイトの女性を見て、巫女さんの服を栞に着させたらきっと可愛いのだろうと思いながらでおみくじを引く。


「やった! 今年も大吉だ! 悠介君は?」

「……末吉だったよ」


 何とも微妙な結果に。凶じゃないから良かったけれど。なになに、勉学は、


『努力せよ』


 と書いてある。受験に向かって勉強しなさいってことか。


「これなら大学も合格できそう!」


 大吉だったことがそんなに嬉しかったのか、栞はとても可愛らしい笑顔を見せてくれる。


「その勢いを頑張って受験まで持っていこうね。僕の方はより一層頑張らないといけないな。ちなみに、栞の引いたおみくじは勉学のところはどうだったの?」

「よし、だって」


 ざっくりしてるなぁ。大吉だからかもしれないけれど。


「私がいるから大丈夫だよ!」


 挙げ句の果てには、栞から背中を叩かれてしまう始末。受験に対してこんなにも明るい笑顔を見せる栞は初めて見た気がする。さすがはおみくじパワー。

 そんなおみくじをしっかりと結んで、2017年の初詣は終わった。


「元気出して、悠介君」

「……僕、そんなに元気がないように見えるのか」


 確かに去年よりもおみくじの結果が悪かったけれどさ。まあ、油断せずに受験を頑張りなさいと神様から言われたと思っておこう。


「だったら、これで元気出る?」


 そう言うと、栞は僕の前に回り込んで、

 ――ちゅっ。

 そっと口づけをしてきた。外なのにこんなにも堂々と口づけをしてくるなんて。僕がそんなことを考えていても、栞は僕に屈託のない笑みを見せてくれている。正直、突然の口づけに驚いてしまったので、栞の笑みを見てようやく元気が出てきたという感じだ。


「元気出たよ、ありがとう」

「ふふっ、良かった。今年もよろしくね、悠介君」

「うん、よろしく。栞」


 僕は栞と手を繋いで一緒に歩き出した。

 2017年はどんな1年になるんだろう。僕と栞にとっては大切な1年であるけれど、今年はいい1年だったねと年末に言えるよう一緒に頑張っていこう。




特別編-Year End and New Year of 2016~2017- おわり

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