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片道15分の恋人  作者: 桜庭かなめ
特別編 in 2016

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3月14日(月)

特別編-The White day in 2016-



 3月14日、月曜日。

 先月のバレンタインデーの暖かな気候とは打って変わって、今日は冬に戻ったかのような寒さ。僕や栞の住んでいるところは雪が降るかもしれないと思うほどの冷え込みようである。

 僕と栞の通っている高校はそれぞれ学年末試験が終わり、今は試験明けの休み期間となっている。なので、ホワイトデーである今日は栞と一緒に出かけたかったんだけれど、生憎の雨。とても肌寒い。


「今日は寒いね、悠介君」

「そうだね、栞」


 雨が降って寒い日は家でゆっくりするのが一番。ということで、今日は栞が僕の家に遊びに来ている。今は栞と一緒にリビングにあるこたつに入っている。

 平日なので父親は仕事に行き、母親も俺達を気遣ってなのか畑町駅周辺にショッピングに行っている。ということで、今……この家にいるのは僕と栞の2人だけ。


「こたつ、あったかい……」

「どこかに出かけるのもいいけれど、たまにはこうして家でゆっくり過ごすのもいいよね」

「うん。それに、こたつに入っていると動きたくなくなるなぁ」

「あははっ、僕も同じだ」


 やっぱり、こたつの温かさには不思議な魅力があって、一度入るとなかなか出ることができない。


「何だかバレンタインデーのときの暖かさが嘘のように感じるな。普通は逆だよね」

「確かに。でも、あの暑さはゴールデンウィークくらいの気候だよ。今の時期でも暑く感じるくらいかもね」

「あのときは暑かったなぁ」

「バレンタインデーの印象も残っているけれど、僕にとってはルゼちゃんの誕生日を祝った印象の方が強いな」


 ルゼちゃんを祝うときの栞のはじけぶりが可愛すぎて。


「ルゼちゃんは天使だから」

「……物凄く好きなんだね。まあ、僕にとっては栞が天使だけれど」


 それは決して揺らぐことはない。

 すると、栞はゆるんだ笑顔を見せて、僕の隣までやってくる。ちょっと窮屈になったけれど、これもなかなかいい。


「……て、天使は側にいた方がいいかなと思って。あうっ」

「こんなに可愛い天使がすぐ側にいるなんて、僕は幸せだな」

「……あううっ」


 可愛い声を漏らす栞。そんな彼女の頭をゆっくり撫でる。


「今日の悠介君はいつも以上に……素敵なことを言ってくれるね。きょ、今日がホワイトデーだからかな」

「別にそういうわけじゃないよ。素直に言っているだけだけど。それに、ホワイトデーに渡そうと思っていたプレゼントはちゃんと用意してあるから」

「えっ……」

「ちょっと待ってて」


 僕はこたつから出て、キッチンの冷蔵庫の中に入っている栞へのプレゼントを取りに行く。

 冷蔵庫からプレゼントを取り出して、リビングの方に戻ると、そこにはなぜかこたつの横で正座をしている栞がいた。


「こたつから出てどうしたの?」

「……いや、その……悠介君がプレゼントを用意してくれているのに、こたつでぬくぬくしていたら悪い気がしてきちゃって……」

「あははっ、気にしなくていいよ。はら、一緒に入ろう」

「……うん!」


 僕と栞は再び隣同士でこたつに入る。


「バレンタインデーのときはありがとう」


 そう言って、僕は栞へホワイトデーのプレゼントを贈る。

 すると、栞はとても嬉しそうな笑顔を見せてくれる。


「ありがとう、悠介君。あ、開けてもいいかな?」

「もちろんだよ」


 栞はどこか興奮した様子で僕のプレゼントを開けていく。喜んでくれると嬉しいんだけれど。


「……マカロンだ! 嬉しい……」

「……そう言ってくれて良かった。今年は買ったものだけれど、来年は作ってみたいな」

「大学受験が終わってたらね」


 そっか、来年の今頃はちょうど、受験が終わっている時期なのか。お互いに行きたい大学に合格できているといいな。


「ねえ、悠介君。一緒に食べよう!」

「……いただきます」


 雨で肌寒い一日になるという予報を聞いたときはちょっと残念だったけれど、こういう大切な日を、家でゆっくりと過ごすのもいいかもしれない。とても温かな時間を送ることができている。


「甘くて美味しいね、悠介君」

「美味いな。そうだ、せっかくだから紅茶でも淹れてくるよ」

「ありがとう、悠介君」


 どうやら、プレゼントを気に入って貰えたようだ。

 最初からマカロンにしようと思っていた。ホワイトデーにマカロンを渡すことにはこんな意味があるのだとか。


 ――あなたは特別な人。




特別編-The White day in 2016- おわり

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