本番…?
全体的に面白くないかも…orz
「へー、相変わらずくるのは凄いなー。」
「そう?頑張って作っているけれど…」
「うん!他の人はただのチョコカップケーキなのに、竜弥君のはミニケーキに可愛いトッピングなのにビックリだね!」
なにかを催促するように、私を見つめながらいう。
あ…これは…
「…優花のもミニケーキだよ?トッピングはシンプルだけど。」 「ホント!?やった!」
笑顔でガッツポーズしている。やっぱり、このとみたいだ。なんだか可笑しくて、私は微笑んだ。
「くるのはおいしいもんね!ありがと!」
「いえいえ。こちらこそ、毎年ありがと。」
「例年通りのカップチョコでごめんね?棒チョコもあるけど。」
「謝ることないけど?可愛いし。」
「そう?くるがいうなら大丈夫だね!」
優花は私が素直に誉めると、ニカッと笑った。
「それじゃ、行こうか!」
優花の言葉が出発の合図のように私たちは歩き出した。
「…おお、ありがと。」
「どういたしまして!お返し、楽しみにしてるから!」
「優花、それはいうものじゃないから。」
「えー!ちゃんといっとかないと。」
「心配しなくてもちゃんとやるよ。」
苦笑しながら、目の前の男の子はいう。
「わざわざ休日にごめんね?」
「いや、小鳥遊さんもありがとな。」
竜以外では最後のはずの男子の家を訪ね終えてから、竜の家に向かう。
「あー、ホント、くるがいると助かるなぁ…」
「親が出たとき盾がわりにするのはよくないと思う。」
「ごめんごめんって。」
他愛もない話をしながら、道を進む。もうすぐ、竜の家だ。竜はどんな反応をするだろうか。今までずっと学校でささっと渡していたから…
「「こんにちはー」」
二人で呼び掛けるとドアがあいた。竜のお母さんだ。
「すみません、小鳥遊と申します。竜弥君はいらっしゃいますか?」
「あら?竜弥?ちょっと待っててね。」
バレンタインの事を察したようで、すぐ呼んでくれた。
「おお、なんか用か。」
竜は驚いた様子で出てきた。多分、これまで、私が家にまで来たことがないからだろう。
「これ、チョコ。」
私が少しぶっきらぼうにチョコを差し出すと、
「あー、もうそんな季節か。ありがとな。」
私と、一回り小さい優花のチョコをうけとりながら竜はお礼をいった。
家だと、なんだかぎこちないようで、
「それじゃ」
「あ、うん。バイバイ。」
他になにも話さず、その場を離れた。
「…気付くかなぁ、竜弥君。」
「今日は家に持っていったし、余計気付かないんじゃない?」
「えー!毎年、くる、待ってるのにねー…」
「…!」
流石親友とでもいうのか。つい、クスリと笑った私を見て、優花がはあ…とため息をついた。
「もー、口で言えばいいのに…」
ボソッと呟いた優花の言葉は私には聞こえなかった。
そう、今年こそは…と心で呟く。
まぁ、無理だろうけど。
お返しが特別扱いって少し夢ですよねww