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誤力

作者: ざくろ





僕には1日1分まで時間を止める能力がある。


この話はその力を使う僕の夏休みを綴ったものだ。




■□■□■□■




7月29日


今日はとても良い天気だ。



地元の高校を通い始めてから最初の夏休みが始まった。だけど、僕には部活もバイトも友人と遊ぶ予定すら無い。


あるのは、1日1分まで止める能力で今まで計画してきたことを、実行するだけだ。



まずは資金集めから………と言ってもただ時間を止めてお店のレジからお金を盗むだけではつまらない。そう、僕はこの能力に慣れすぎていた。


早速、お店まで行く…‥…だけど近くのお店には行かない。いくらこの能力を使ってでもいずれは足が着くかもしれないからだ。電車に30分ほど乗り大きな街に来た。目標は駅前の大きなショッピングモール。


いちよう行動する前にこの能力の特徴を言っておこう。


その1 1日に使えるのは1分までであり、能力を使い始めたら1分経つまで途中能力は解けない。


その2 物体などは動かせるが、傷を付けたりすることは出来ない。人間や動物なども同じである。


この特徴を上手く使い、僕は能力を完全に使いこなす。





■□■□■□■





午後1時を過ぎ人通りがもっとも多い時間帯。



準備するものは、無い。狙いはショッピングモール2階にあるATM。


そこでは、毎日大金をおろしに来る人は少なくない。



20分ほど時間を見ていると20代半ばのOLらしき女性がお金をおろしに来た。


僕はその女性が現金を確認しているとき、能力を使った。



周囲がまるで深夜のような静けさになり動きが止まった。


もうこの地球......いや宇宙にすら動いているものは無いだろう。



僕は落ち着いた歩合で女性に駆け寄り現金を盗んだ。だがこれで終わりではない。



僕もいちよう高校生。好奇心や性欲も人並みにある。時計を見るとあと40秒ほど残っている。僕はまず女性の服を下着を残し全て脱がした。幼稚な行為だが僕はそれなりに楽しんでいる。女性をよく見ると白い肌をしていて、顔立ちも整ってどこかのお嬢様を連想するような綺麗な人だ。


時計を見ると残り時間は10秒ほど。流石に時間が無いので、急いで走り元居た場所に戻った。同時に能力が切れたようで女性の叫び声が聞こえた。見てみると女性が服を抱えてうずくまっていた。


周りの人は何が起こったのか分からなく酷く混乱しながらも女性を見ていた。




これだ…‥‥この罪悪感がたまらなくなってきている。


現金は十数万円と僕にしては少なかった。だけでも本当の目的はお金ではなくこの快感にも近い罪悪感なのかもしれない。


ただ言えることは、僕はもう止まらない。

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