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冠を抱きし者  作者: 藍雨
第一章
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二話

次王

「【祈りの儀】をリヴァ様が、成年体せいねんたいじゃない未分化みぶんかがやる?そんな話はじめて聞いた。

という事はリヴァ様が優秀って噂、本当だったんだ。」

つぶやいてから【祈りの儀】を母が亡くなってから見ていなかったことを、

そして

『王都の【祈りの儀】は素晴らしいわよ。』

『王都に来たら見なきゃ損だよ。』

そう言っていたおばさんのことを思い出し、見に行ってみることにした。


― 【祈りの儀】それはその名の示す通り天に御座おわします神リーフェに祈りを捧げる儀式だ。

月に一度、その月の一の週、六の日にこの国すべての神殿で執り行われる神事である。

祈りを捧げるのはそれぞれの神殿の神官、それも神殿の中で最高の力を持つ神官の役目だ。

だが、王都にある大神殿では神官ではなく

神リーフェから王たる徴である【王印おういん】をたまわった者が、

即ちその時代の王または女王が祈りを捧げることが伝統になっている。 ―


「確かにリヴァ様は次王で【王印】を持っているから儀式を執り行う資格はあるけど…

それにしても未分化の人間が執り行うなんてどうしてだろう?」

この国の人間は、と言ってもこの世界に国は一つしか存在しないのだけれど

十六歳になり【成人せいじん】を終えるまで、成年体になるまで性別を持っていない。


だからいくら未分化の人間が女性のような姿をしようと、成年体になるまでは、

僕が呼ばれていたように坊っちゃんと呼ばれ少年として扱われる事になる。

だから、兄弟の上の者は兄と呼ばれ下の者は弟と呼ばれる。


だけど別に未分化だから働けないという事はない、未成年でも職に就くことはできる。

実際、僕の住んでいた村でも何人かは働いていた。

でも、成人して自身の性別が決まるまではいくら他の人より能力があろうと

一人前と認められることはない。それはどの職業でも同様であり

神官であればよりいっそう顕著けんちょに表れる。

そして、神事を執り行えるのは一人前の神官でなければならない、という決まりがある。


まあ、別に王は神官ではないのだけれど。

それでも、未分化のリヴァ様が【祈りの儀】を執り行うというのは異例中の異例、

前代未聞の事なのは間違いない。



いろいろ用語が出てきてわかりにくいので今度用語集でも作ろうと思います

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