二十二話
出会い
「そうなの?僕、弓なら使えるよ」
そう言うとリヴァは一瞬きょとんとすると何か思いついたのか
「ああ、もしかして狩りのためか?
確か村とかじゃ狩りのために弓、使うんだろ?」
確かにリヴァの言った通り村の大人たちは狩りに弓を使っていた。
でも僕はそのために習っていたわけじゃなかったからその言葉に首を横に振り
「ううん違うよ。村じゃ成人しないと狩りにいけないし、弓を習わないから」
僕が言うとリヴァは不思議そうに首をかしげると
「じゃあなんでだ?」
と聞いてきた。
質問に答えようと口を開こうとするとリヴァの後ろから声が聞こえてきた。
「何をしに来た、リヴァ」
それに驚いてリヴァと2人声を上げてしまった。
「うわっ!?」
「フィアン驚かせんなよ!何しにってこいつに城の案内してたんだよ」
僕を指で示すと
「君は?」
誰なのかと聞かれたので
「初めまして。僕はクラウ、クラウ・ゴーデスといいます」
と挨拶をするとフィアンさんは僕の名字に少し怪訝な顔をして
僕のことを観察するようにみると、納得したようにうなずいた。
「ああ、君がもうひとりの王印を持つ者、か。私はフィアン・ローズだ」
フィアンでいい
そう言ったフィアンにこれからよろしくお願いしますと言えば思い出したように
「で、リヴァ。いったい何を話していたんだ?」
と言われ、リヴァはそうだったと言って
「クラウが弓術習ったことがあって、使えるんだって!
それでなんで使えるのか聞いてたんだよ」
「それは狩りのためではないのか?
村では狩りのために弓を使っているだろう」
さっきのリヴァと同じことを言ったフィアンに
「いや、俺もそう思ったんだけどそれが違うらしいんだ。
だからなんでなのか聞いてたんだよ」
なあ、クラウ?とこっちを向いたリヴァに同意を求められた。