二十話
それを聞くと
「じゃあ、行こうぜ」
とリヴァに腕をつかまれ、そのまま引っ張られた状態で部屋を出ると
「…そうだなぁ、どこから連れてってやろうか?」
言うとどこか行きたいところあるか? と聞かれ、それに少し考えると
「えっと…じゃあ、書庫ってどこにあるの?」
本を読むのが好きだからそう聞くと、リヴァは少し嫌そうな顔をして
「もしかして、クラウって本好きなの?」
と聞いてきた。それにうん、好きだよ?と答えると
「俺あんまりあそこ行きたくないんだけど…こっちだぜ」
嫌そうに言いながらもちゃんと案内してくれた。
案内された書庫は僕が今まで見た書庫で一番広く、さまざまな本が置かれていた。
それこそ神話から料理本までいろいろな本が置かれていた。
「うわぁ、すごいね!」
その本の多さと書庫の広さに驚いていると
「確かにこれだけ大量に本があるのはすごいと思うけど」
そんなにはしゃぐことか?とリヴァは本が好きではないのかそう言うと
「次行こうぜ、次!」
と、すぐに別の場所へ連れて行かれてしまった。
「ここは?」
連れてこられたのは楕円形の飴色に磨き抜かれた木の机が置かれた部屋だった。
部屋を見回しただけだと何の部屋なのか見当がつかず聞くと
「ここは食事の間、読んで字のごとく食事をするところ。
こことは別に普通の食堂もあるけどな。俺らは昼以外はここで食べることになるぜ」
言われた言葉の昼以外というのが引っ掛かってどうしてか聞くと
「昼は周りと仲良くなれってことで普通の食堂で食べるんだ」
と返ってきた。リヴァは言ったかと思うとじゃあ次行くぞ、次! と城の中をずるずる連れ回された。一通り案内し終わると
「…と、こんなもんか」
そう言ったリヴァから少し視線をはずし外を見ると、そこに少し気になる物が見えた。
なんと言う場所なのかリヴァに聞こうとその肩をたたき
「リヴァ、あそこは?」
指でその場所をさし聞くと
「ん? …ああ、あそこは近衛隊の演習場。
ちょうどいいや、今から行こうぜ!」
言ったかと思うと腕を引かれた。
「えっ、行っていいの?」
驚いてそう聞くと大丈夫、大丈夫と返ってきてあっという間に演習場に着いてしまった。
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