十四話
「……っあ、あの僕は…僕は、これから……どう、なるんです…か?」
小さく、緊張していた所為かとぎれとぎれにそう訊くと、
大神官様はそんな僕を安心させるように、ことさら優しい声で言った。
「もう少しいたしますと、王宮より使者の方がいらっしゃいます。」
そこで一度言葉を切り、続けた。
「クラウ様が心配されているようなことはございませんよ。
本日よりクラウ様は王宮で暮らすことになります、次期王候補として。」
次期王候補? それって…つまり次の王になる可能性のある人?
言われた言葉の意味を理解したと同時に僕は大きな声で言っていた。
「どうして! 僕が次期王候補ですって?
何の冗談です? 僕とリヴァ様は同じ年齢なんですよ!」
まさか、王を二人立てる気ですか!
そう叫ぶと大神官様は最後の言葉にいいえ。と首を振ることで答え
「このような事態は初めてのことです。
ですから昨日、この事を陛下にお伺いしました。どういたしましょうと。
これはダルク陛下がお決めになられた事なのです。
今年一年の御二方の、クラウ様とリヴァ様の行動を見て、王に相応しい御方に王位を継がせる。と。」
そう大神官から言われた言葉はあまりにも衝撃が強すぎて、理解するのに時間がかかった。
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