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枯渇

人間は水を飲まなければ死ぬ。

花は水を遣らなければ枯れる。

ダムは雨が降らなければ枯れる。

絵の具は水をつけなければ固まって使えなくなる。


俺の脳は今アイデアが尽きている。

何を描けばいいのか分からない。

動物は大量に描いたが、もちろん評価はされない。

風景を描いても、評価されない。

時には月の絵だって描いたが評価されない。

世の一部で流行ったデザインの良いところを取り紡いだ絵を描いてみたりもしたが、評価どころか批判の嵐。

花は好きだが、活き活きした花は描き飽きたし、評価はやはりされるわけもなかった。


夏、俺がいちばん嫌いな季節。

暑く、うざく、めんどくさい。

初夏の雨天が続く梅雨、という区域は別として、真夏の重く冷たい雨の代わりに降り注ぐ暑苦しい日光がどうにもうざくてたまらない。

それが短い期間ならまだ許容できるのだが、神がどう設定をミスったのか知らないがくっそ長い。

せいぜい今の夏の許容できるところは祭りで可愛い女が花火を見てキャッキャしてるところぐらいだ。

暇を外で潰そうとしても暑くてなかなかやる気が出ない。

出たとして外に向かえば喉は乾くし汗で皮膚はベトベトになるしでどうも気に食わない。



今年の夏は、異常気象で雨が少なく酷暑が続くらしい。

序盤なのに雨が少ないせいでもう草木が萎れている。

俺の好きな花ですら、もう枯れかけている。

俺が養分になってやればちゃんと咲くのかな、なんて思ってるが、そんな現実離れした話存在するはずもない。


そんな中ふと俺は思いついた。

活き活きした美しい花を描き飽きたなら、枯れかけている花を描けばいいのではないか、と。

俺は他の人に比べて思いついたら行動に移すまで早い方だと思っている。(自画自賛なのか分からないが。)

900円の切符代と片道1時間ほど電車に揺られ暇を潰しに来た行動が無駄な気もしたが、そんなことどうでもいい。今すぐ家に戻って枯れかけている花を描きたい。

ただし、それが評価されるのならだけども。


真夏の炎天下の中駅まで早歩きで向かい、改札を尋常ではないスピードで通り、次の電車の時刻表を見る。

約10分後。

1時間に1.2本しかない割には、こういう時にタイミングよく止まっててくれる某J●に感謝した。

待ち時間、自販機で買ったコーヒーを片手に喫煙所に寄り、紫煙に包まれ至高の一服を過ごした後、電車に揺られながら帰路に着いた。

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