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桜、それにまつわる噂 5

数日間、雪が降り積もり窓から眺める世界はどこを見ても白く、隣の家の屋根が砂糖のふりかけられたお菓子のようだった。

あの絵を見てから数ヶ月、私は怖さの裏にある美しさに魅入り、何度かその絵と、その作者ほかの絵を眺めていた。

その絵自体、投稿日が5年前だと言うのに。

正直私はもうあの桜のことなんてどうでも良くなって諦めていた。

またあの現象が起きたら窓を閉めればいい。そう思ったからだ。

窓を締めれば私自身になんの影響も起きない、強いて言うならニュースで行方不明の放送を見ることが多くなって気分が悪くなるぐらいだ。

気分が悪くなると言っても、吐き気だとか頭痛が起きる訳じゃなく、ただ精神的にえぐられるような感覚があるだけ、他の行動には何の支障も起きない。

潔く諦められた私の顔はどこか前までの生気を取り戻してるように見え、まともに笑うこともできる。

母にだって「最近元気になってきたね、顔色戻ってる。あのこと上手く流せた?」と言われるぐらいには回復したらしい。

まだなにか戻り切れてないところもあるようだが、まあ気にならない程度だと思う。


そういえば、ずっととあるニュースが気になっている。

どこかの県で若者3人が行方不明らしい。

とある古い廃城に入ってそのまま消息を絶ったらしいが、そんなことあるのだろうか?

行方不明という文で精神が抉られた感覚がしたような気がしたが、オカルト好きな私は正直内心ウキウキしていた。

防犯カメラにも写っていないなら尚更、廃墟で起きる不可解な現象はとても良い。

あと気になっているニュースといえば、最近の若者へのアンケートで「不思議な夢を見た」人が多いということ。

「不思議な夢」なんて人それぞれだろうが、数ヶ月前まで悪夢に魘されてた私にとってはとても気になるニュースだった。

唐突に趣味のような話をして申し訳ない。


白く染まっている街、降り注ぐ粉雪、その中でも瞬きするように光るビルの上の航空障害灯、所々にある家に飾られた小さなイルミネーションと大通りに飾られているでかいイルミネーション、遠くから聞こえてくる穏やかで楽しげな音楽、毎年のようにポストに入れられるおもちゃ屋のプレゼント広告。

クリスマスが来るね。

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