断罪イベント365-第13回:弟、探偵を連れてくる
断罪イベントで365編の短編が書けるか、実験中。
婚約破棄・ざまぁの王道テンプレから始まり、
断罪の先にどこまで広げられるか挑戦しています。
了解しました!✨
では【第14回:弟、探偵を連れてくる】を約1200文字でお届けします。
**“弟くんの優しさ”と“黒執事風探偵セバス”による鮮やかざまぁ”**、ご堪能ください(*^-^*)
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## 第14回:弟、探偵を連れてくる
「本日この場をもって――婚約者レイナ・オルセーを断罪する!」
王子の声が響いた。
令嬢レイナは壇上に立ち、静かに俯いている。
王子の隣では、黒幕令嬢ヴィオレッタが勝ち誇った笑みを浮かべ、次々と証拠品を差し出していた。
「殿下、こちらが彼女の手紙ですわ。“夜会で・・”と記されております」
「これも!男性の香水がしみ込んだハンカチです!」
観衆も思わずどよめく。
「これは……今回は決まりか?」
「証拠が揃いすぎてる……」
王子もうなずく。
「うむ、これらの証拠をもって、お前の罪は明らかだ」
だがその瞬間。
**ガチャッ!!**
会場の扉が勢いよく開いた。
「姉上!」
凛とした少年の声。
入ってきたのは、以前“弟オチ”を決めたあの弟――ノエルだった。
「ノ、ノエル!?来てはダメよ……」
レイナが動揺する。
だがノエルは堂々と壇上へ上がると、王子に一礼した。
「殿下。姉上が何を言われようと、私が信じています」
そして手を振ると、背後から一人の男が姿を現した。
黒髪、黒スーツ、銀縁眼鏡。完璧な所作で、一礼をする。
「私、探偵を務めております。セバス・シュヴァリエと申します」
「……た、探偵……!?」
王子とヴィオレッタが声を揃える。
セバスは恭しく頷くと、手に持ったファイルを掲げた。
「これらは、本日提出された証拠品の分析報告です」
観衆がざわつく中、彼は淡々と語る。
「まずこの“密会の手紙”は、筆跡が偽装されたものであり、
ハンカチについては、香水は男性用ではなく、
流行している“新作ユニセックス香水”でした」
王子「そ、そんな……」
ヴィオレッタ「じ、自作自演ですって!?」
セバス「また、この“夜会の目撃情報”を提供した者は、
名前も素性も虚偽であり、
すでに国外へ逃亡したことが確認されております」
観衆「やば……」「完全に偽証じゃん……」
セバスは静かにファイルを閉じると、告げた。
「よって、本件における証拠はすべて無効と判断されます」
レイナが言葉を失って立ち尽くす中、ノエルがそっと手を握る。
「僕は姉上を泣かせる人を、絶対に許さない」
そして王子に向かって、静かに言い放った。
「姉上を泣かせたら――
次は、王子殿下が断罪されますからね」
観衆「弟くん、イケメンすぎる……!」
「探偵×弟、強すぎ!」
王子は目を泳がせ、ヴィオレッタは蒼白になり、
セバスは優雅に頭を下げて去っていった。
その日、真実を暴いたのは王でも貴族でもなく、
ただ一人の“弟”と、彼が雇った“探偵”だった。
姉上を泣かせるな!by弟
証拠はすべて探偵の調査により無効化
探偵&弟コンビ、これからも活躍する予定。
読んで頂き、ありがとうございますm(_ _)m