表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ストーカー  作者: Mr.M
エピローグ 神在月

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

92/94

第92話 パヴァーヌの調べ

静かな店内にどことなく哀愁を帯びた

パヴァーヌの調べが流れていた。

2人は目を合わせたまま

どちらも口を開かなかった。

その時。

入口のドアが開いて

ボサボサ頭に無精髭の中年の男が入ってきた。

男は入り口に一番近いカウンター席に座った。


黒いドレスの女がカップを手に取った。

そして口を近づようとした次の瞬間、

目の前の女が突然噴き出した。

「あはははは。

 冗談ですよ?

 まさか本気にしたわけではないでしょうね。

 さあ。

 お話は終わりました。

 お引き取りを」

そう言って女は軽く頭を下げた。

黒いドレスの女は静かにカップを置いた。

「・・そうね。

 あなたとの話は楽しかったわ。

 そのお礼と言っては何だけど、

 あなたに1つ忠告してあげる。

 因果応報っていう言葉があるでしょう?

 それとも人を呪わば穴二つかしら。

 天に唾すると言ってもいいわね」

女が首を傾げた。

「何を仰りたいのかわかりませんわ。

 あいにく私は貴方の仰る通り、

 そんな戯言を信じるほど

 純粋で若くはないのですよ。

 人は若さを失うと同時に

 狡猾さを手に入れるのです。

 貴方にはまだまだわからないでしょうけど」

黒いドレスの女の瞳が真っ直ぐ女を捉えていた。

「・・人にしたことはいずれ自分に返ってくる。

 面白いことに世の中、

 辻褄が合うようになっているのよ。

 カルマっていうのかしら?

 八木明人は殺人犯ではない。

 でも多くの女性を襲い

 不安にさせたことは事実。

 たとえそれが

 直接行為に及んでいないとしても、

 彼の罪は簡単に許されるべきじゃない。

 その報いをこれから受けるのだとしたら、

 殺人の濡れ衣を着せられたところで

 それは自業自得。

 利子を付けて返済しなければならないのは、

 何も借金だけじゃないの。

 一方。

 探偵を名乗りながらその依頼人を裏切り、

 己の欲望のために

 殺人の罪を隠ぺいした大烏亜門。

 彼は今、

 病院のベッドの上でその罪の清算をしている。

 命を落とすかどうかはまさに神のみぞ知る。

 それならあなたは?

 あなたのカルマはこれからよ」

「お心遣いは有難いですが。

 でもそれは余計なお世話って言うのですよ。

 何度も言ってるでしょう。

 私を殺人犯と責めるのであれば

 証拠でも見つけて出直してきなさい。

 そんなモノがあればの話ですけど」

女は口に手を当てると

上品に「おほほ」と笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ