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第9話 喉の渇き
翌日。
時間通りに彼女はやってきた。
彼女は静かにベッドへ向かうと
背中を向けて着替え始めた。
僕は慌ててカーテンを引いた。
一瞬だけ確認できた彼女の背中には
僅かながら下着の跡が残っていて
それが妙に艶めかしかった。
「着替えました」
カーテンの向こうから彼女の声がした。
僕は意を決してカーテンを開いた。
新しい水着だった。
だがベッドに座っている彼女を見る限り、
柄や色こそ違えど、
これまでとさほど変わりのない
ビキニの水着だった。
僕はホッと胸を撫で下ろした。
仰向けになった彼女の顔に
多少厚めのタオルを被せた。
これで彼女の視線を意識することなく
施術に専念できる。
それに。
彼女の体をじっくりと鑑賞することもできる。
まさに一石二鳥だった。
前面の施術が終わり、
僕は彼女に声を掛けた。
彼女は起き上がると
ゆっくりとうつ伏せになった。
あっ!
驚きのあまり僕は声が出そうになった。
前面の施術時には気付かなかった。
うつ伏せになって初めてわかる彼女の狙い。
今日の彼女の水着はTバックだった。
白く艶のある桃尻が大きく露出していた。
ふいに喉の渇きを感じた。