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ストーカー  作者: Mr.M
三章 長月

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第47話 9月15日。木曜日。

この1週間。

僕は毎日恐怖に怯えながら過ごしていた。


・犯人はいつでも僕を殺すことができる


そのことに考えが及んだ翌朝、

僕は急いで大烏に連絡した。

しかし僕の不安は大烏の

「心配ない」という一言で片付けられた。


日中。

仕事をしている間は気が紛れたが、

日が落ちてからは憂鬱な時間の始まりだった。

闇を恐れるのは人の性か。

僕は店を閉めると『シュガー&ソルト』に

駆け込む日々が続いていた。

しかし。

一時的に逃げたとしても、

結局は家に戻って

朝を迎えなければならなかった。

夜毎やってくる暗闇が僕の恐怖心を煽り、

日々の睡眠を妨げた。

そして朝。

目を覚ました時、

僕はまだ生きているという実感から

安堵の溜息を漏らすのだった。

たしかに今でも僕はこうして生きている。

その点では大烏の言葉は正しいことになる。

それでも・・。


この1週間の間に、

僕にとって喜ばしくない報道があり、

それがますます僕を憂鬱にさせていた。

それは3日前の情報番組でのことだった。


メシモリがバイトをしていた

コンビニ店の関係者を名乗る人物が、

テレビの取材を受けていたのだった。

顔にはモザイクがかけられていて

声も変えられていたが、

その人物がヒフミアザナであることは

すぐにわかった。

『彼女は店によく来る男性客に狙われている

 と話してました。

 そのことについて他のバイトの子に

 相談をしていたようですね』

『その男性客はどんな人でしょうか?』

『それが。

 彼女が殺された日から

 ぱたりと姿を見せなくなりました。

 最近になって1度だけ来店されましたが、

 その時は少し焦っていたように見えました』

そんなやり取りがあって

インタビューは終わっていた。

スタジオでは胡散臭いコメンテーター達が、

『この男性客が怪しい』

などと好き勝手なことを喋っていた。



午前中の最後の客を送り出して

一息ついていると、

突然大烏から連絡があった。

そして大烏の都合により半ば強引に

15時に『シュガー&ソルト』で

待ち合わせることになった。

間の悪いことに

この日は15時から尾形の予約が入っていた。


尾形剛


彼もまた

容疑者リストにその名を連ねていた人物だった。

僕は尾形に連絡して

急用が入ったことを伝え謝罪した。

今月は尾形の都合がつかず、

来月の16日の13時に

予約を入れることで納得してもらった。


自宅に居ても息が詰まるので、

僕は早めに『シュガー&ソルト』へ向かった。

途中、

それとなく周囲を警戒していたが

尾行の気配はなかった。

『シュガー&ソルト』の駐車場には

2台の車がとまっていた。

指定の時間までまだ1時間以上あった。

中に入るとテーブル席は3つが埋まっていたが、

カウンター席には誰もいなかった。

カウンターに座ると

もしほが「おかえりなさい」と小さく囁いた。

僕も「ただいま」と小声で返した。

コーヒーを飲んでいると、

いつしか店にいる客は僕1人になっていた。

マスターはカウンターで仕込みの作業を、

もしほはテーブル席の掃除をしていた。


大烏の呼び出しは何だろう。

調査に進展があったのだろうか。

どちらにせよ

僕も大烏には色々と話したいことがあった。

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