第13話 「メシモリ」
8月16日。火曜日。
時刻は17時を過ぎていた。
つい先ほど安倍瑠璃を送り出したところだった。
室内にはまだ彼女の残り香が鮮明に漂っていた。
1か月ぶりに見た彼女は
こんがりと小麦色に日焼けしていた。
そして。
Tバックから覗く桃尻だけは真っ白だった。
焼けた肌と白い肌のコントラストが
官能的だった。
僕は夕食の弁当を買うために自宅を出た。
そして自転車に跨って
いつものコンビニへ向かった。
『クリーンマート 稲置市屯倉町店』
のレジに立っていたのは
「メシモリ」
という名札を付けた濃い化粧の女だった。
この女も
ヨタカと同じ『私立傾城学園』の生徒だった。
弁当を選んでいると背後に視線を感じた。
その視線の主がメシモリであることは
振り返らずともわかっていた。
以前、
ヨタカと同じように
成人向けの雑誌を出して
彼女の反応を窺ったことがあった。
その時。
メシモリは僕に対して
汚いモノを見るような視線を投げてきた。
おそらく僕のことを、
女子高校生に如何わしい雑誌を見せて
反応を楽しんでいる変質者だと
考えているに違いない。
それ以来。
この女は店内での僕の行動に
いつも目を光らせていた。
彼女の視線からは
「何か問題があればすぐにでも通報するぞ」
という敵意がひしひしと伝わってきた。
その瞬間、
僕はふと閃いた。
この女にはお仕置きが必要だと。
都合のいいことに
メシモリのバイトが終わる時間は、
ヨタカと同じで22時と判明している。
相手の交通手段は自転車なので、
こちらも自転車を使えば
車よりも楽に尾行ができる。
ブルーシートはどうするか迷ったが、
この女の体が多少汚れたところで
心は痛まない。
僕はメシモリの敵意に満ちた視線を無視して、
買い物を済ませると店を出た。
西の空が赤く染まっていた。




