魔力と魔法についての研究の初歩
「うーん………」
水魔法を使い、水を出現させてみる。
目の前に向けた自分の手のひらを少し引いて、横から魔法が出力される様子を観察する。
すると段々分かってくることがある。
「………ああ、これ魔力操作の一環なんだ」
理解してしまえばしっくりくるものだ。うーんうーんと考え続けて一週間。俺はようやく、何かのスタートラインに立ったような気がする。
「ようやく分かった。つまり、目に見えない形での魔力を、実際には無意識下でコントロールしているのか。水として出力しているのは………現象そのもの、あるいは現象の生じる引き金として魔力を利用し、実際に魔力が姿を変え、また空気中の水分なんかも集めている。つまり、魔力は、干渉できるものに干渉し、何らかの影響を与えるものなんだ」
「えっと……それって、最初からあんまり情報量増えてなくない?」
「まぁ、確かに」
エレンから痛いところを指摘されるが、実際にそれを意識できるようになるのとならないのとでは決定的に異なるだろう。
「つまり、魔法の使用者がどうやって魔法を―――いや魔力をコントロールしているか。これが意識的にできるようになれば、あるいは感覚を掴めば、魔法だって思いのままかもしれないぞ」
「――! すごい、ソウジ! 魔力そのものを操れるようになりたいってことね!?」
「平たく言えばそう」
きっとそれは、俺の【魔装体術】とも無関係ではない気がする。
エレンの思い付きから思いもよらぬヒントを得る日もあったり、考えたり、実際に魔法を使ったりして検証していくうちに新たな発見、また次なる疑問が出てきたり。
俺は、オヤジ達からの特訓に充てていた時間を、魔法の研究に費やすことで、新たな能力が成長していくのを何とはなしに感じていた。




