アル(エレン)との絆がアップした(?)
「ウチの国は、戦争で滅んじゃったんだ」
「そうなのか」
一瞬だけドキッとしつつ、反応を間違えないよう細心の注意を払った。
耳と意識だけは注意深く傾けつつ、俺は木から削り出した木剣で素振りを続ける。
俺の素振りを眺めながら、エレンは岩の上に腰かけ、どこか上の空で呟くように身の上話をしてくれた。
「……パパもママも、死んじゃって」
「……そうか」
素振りをしながらエレンを見ると目が合った。彼女はこちらに苦笑を向けてくる。
こういうところ、偶にすごく大人っぽいと感じるんだよな。
「奴隷として売られそうになってるところ、なんか小競り合い?みたいなのに巻き込まれてさ、奴隷商とかも全滅で、命からがら逃げて来て―――」
それで、今の俺達が属する、この傭兵団に拾われたという経緯らしい。
全く、争いばかりで嫌になるな。
争いに巻き込まれてばかりの人生……か。
俺にはまだ想像しかできないが、きっと少なくともこの世界に来てからの俺よりは辛い現実に直面したのだろうことは確かだ。
「……これ、皆には内緒ね」
「もちろん他言しないよ」
ふぅ、と流れる汗を拭きながら、俺は少し休憩だ。
魔力に頼らない肉体の形成も慎重に行おうとかやる気を出していたところに、思わぬ冷や水。
エレンの身の上話の告白イベントとか聞いてない。会社で新入社員にいきなり先輩呼びされた時と、少しばかり似た衝撃を味わった。
「ソウジは……?」
「え?」
さらに、何にも勝る衝撃だ。
そっか、そりゃそうだよな。
自分のことをいきなりとはいえ話したのだ、次は俺の方に水を向けられるのも不思議はない。
「ああ………まぁ俺は、元々この世界の住人じゃないからな」
「えっ」
「あ」
そういえば言ってなかったっけ、と思いながら。
何だか恥ずかしいので元の年齢は伏せながら、軽く過去を明かしておいた。
「………聞いてない」
「そりゃ、言ってなかったからな」
「でも、話してくれてありがと。大丈夫、他の人には言わないから」
「ああ、サンキュ。つっても、ニールやモッチにドラのアニキ達、それにオヤジなんかは知ってることだけどな」
「えっ!?」
その時のエレンは信じられないといった顔で驚いていて。
「ウチ以外にもめっちゃ知ってんじゃあぁんっ!」
「!?」
「ウチは初めてだったのにぃぃっ!」
「ちょ、お前、言い方―――」
信じられないくらい泣かれて怒られた。




