感動的じゃない再会
「―――ソウジっ!!」
「わっ」
城の前広場に出て来た俺を見るなり、駆け寄って来てそのまま突進するように抱き着いて来た少女。
プラチナブロンドの髪と金色の瞳が印象的なこの美少女の名はエレン。
まだ傭兵団内ではアルと名乗っているが、その少年のふりも次第に難しいものになりつつあるのだろう。少なくともその理由が、俺の胸板に押し付けられる微かな膨らみに表れていた。
「よかった………ソウジ、無事で………」
「……」
こちらを一心に心配してくれていた少女に対し、なんてゲスなことを思っていたのだろうか。
いや、劣情は向けていないが、例え無機質な観察という行為に過ぎなかったとしても、決して口にはできない感想を抱いたのは事実だ。
とにかく、今は再会を喜ばないとな。
こちらと抱き合うエレンの肩越しに、向こうではオヤジ達がこちらを眺めているのが分かった。ニールのアニキもモッチもドラもいる。来た時のメンバーそのままだ。
「エレン、心配かけてごめん」
「大丈夫? 酷いことされなかった?」
「ああ。姫様が俺のこと相当気に入ってくれたみたいでさ」
「……ふぅん? どんなだった?」
俺は、心配ないことを示すために城での生活が恵まれていたものであることを語った。
「毎日のように冒険の話とか、傭兵団での生活についてとか、色々な話をせがまれたよ。魔法の特訓とかもしたけど、箱入りの姫様だからって侮れないな。魔法に関しても才能はあるみたいだった」
「………………」
「おやおや?」
俺が少し楽しそうにし過ぎたのがいけなかったのか、こちらを心配してくれていたらしいエレンは俺にジト目を向けてきた。
「………………じゃあ、ずっと城にいれば良かったんじゃない?」
「なんで怒ってんだ?」
また俺何かやっちゃいました?
「怒ってない!」
「怒ってるじゃん」
「怒ってないっ!!」
「えっ、ガチギレじゃん………悪かったって」
プリプリと怒りだしたエレンを宥めつつ、俺は皆の所に戻った。




