表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【毎日更新】ユウシャ・イン・ワンダーランド ――ゼロ・ローグ―― ~異世界に来た元サラリーマン、異世界ライフのスタートは野盗の群れでした~  作者: むくつけきプリン
ライフ・ライク・ローグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/95

覚醒(2)

「………」

 魔物の前足や頭を爆散させた時の感触がまだ残っている。

 人間の死体のミンチを見たのではないから、心的外傷はそこまででもないが、しかしやはり、俺の身体に生じた変化―――否、新たに習得した技術に、まるで身体が歓喜しているようでさえある。

「―――ハハッ、何だお前、お前もモンスターか!」

「ちょ、やめてよアニキ!」

 俺に生じた変化を喜びつつも怯えたような、かなり微妙な表情のニールのアニキに言い返しながら。

「すげぇな、お前どうしちまったんだよ!」

「俺もちょっと混乱してる!」

 俺は身体中で回路が励起したかのような、身体中から魔力が溢れる感覚に任せて、襲い来る魔物を返り討ちにすべく体術を繰り出していた。

 正拳突きだろうが手刀だろうが足払いだろうが、当たった魔物は面白いほど綺麗に爆散する。

 ただし血しぶきは大量に出る。威力はすごいが、見た目は最悪。人型でないから大丈夫とはいえ、あんまり続けていると流石に気分が悪くなりそうだ。

 魔物の身体を爆散させ、返り血を浴びないようにバックステップを踏む―――そんな奇妙奇天烈な、マンガみたいな動きが可能なんだもの。

 ただ、踏みしめた地面は抉れるし靴もボロボロになってしまうので、不経済この上ない技術ではあるが。

 装備品も、そろそろ上等なので固めないと素っ裸で戦うことにもなりかねない。

 しかし今は新しく習得した技術の勝手を掴み、習熟の初期段階を経る上で大切だからこそ、馬鹿の一つ覚えみたいに新技の特訓をする形だ。幸いにして俺は魔力量は人一倍……どころではないくらい多いらしいので、身体中を魔力で満たそうとも一向に疲労が訪れる気配はないのだ。もう常時コレでいいかな、と思ってしまうくらいだ。まぁ後が怖いので、程々の時間で切り上げようと思っているが。

 ダンジョン下層……というか命のかかるぶっつけ本番の戦闘で何を悠長に特訓など、というツッコミも理解できるが、だってこの技ってば使えるんだもの、強いんだもの。

 身体中を魔力で満たし、身体能力を著しく向上させるこの【魔装(マジック)体術(アーツ)】、使いこなせれば無敵とは言わないまでも、一対一では大抵の相手に勝てる気さえしてくる。

「すげぇな………()()()()のソウジ、もしかしなくても俺以上のパワーじゃねぇか……?」

 恰幅の良い巨漢で剛腕のモッチをしてそう言わしめる俺の【魔装体術】。中々だと思う。

 ちなみに、仲間の皆には、先程俺が土壇場で習得したこの【魔装体術】の性能というか仕様を、簡単ながら予測のつく範囲で説明しておいた。きっと皆、「なんか魔力ですげーことになった身体」くらいの理解はしてくれていることと思う。

 さて、そんな【魔装体術】についての、俺自身の理解だが―――。

「物理法則を完全に無視しているわけじゃない………重さが増した? それを支える膂力も? 動きが早い、着地もいつも通り………魔力で体重が増えたわけではないが………分からんな………」

 俺は頭で【魔装体術】、ひいては「魔力そのもの」の物理次元での扱いについて考えていたが、当然すぐに答えが出るわけでもない。やはりそこはファンタジー、まだまだ把握できていないタネや仕掛け、そして理屈があるのかもしれないし、そもそも理屈などないのかもしれないし………。

 魔力こそ真に万能な何かだ、と感動する反面、その可能性の広がりが、かえって恐ろしくもあるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ