添い寝
「エレン? どうしたんだ、こんな夜更けに」
「ん、なんかちょっと、寝つきが悪くって………」
枕を抱きしめて、部屋の入り口に立っていたエレン。どうやら一緒に寝てほしいらしく、俺は彼女の珍しい様子に面食らっていた。
「まぁ仕方ないな」
別に夜這いに来たわけじゃあるまいし(というか齢十とかそこらの男女で間違いなど起きる余地もないだろう)、俺は彼女を部屋に招き入れた。
「ソウジの部屋って明かりが黄色いんだ」
「ん? 部屋ごとに違うもんなのか?」
「ウチのとこはオレンジだった」
「そっか」
男女で違うのか部屋ごとなのか、別の基準か知らないが。天井に埋め込まれた照明用の魔石一つとっても、種類が色々あるのだろうというのは何となく想像できた。
「もっとこっち来なよ。そんな端っこだったら落っこちるよ?」
「だったらもっと壁側に寄ってくれ」
「こっちはもう限界」
「あ、そう」
ガキとはいえ異性と密着するのも気が引ける。気を遣ってのことだったが、逆に気を遣われてしまった。
仕方ないので、俺もベッドの中心に寄って寝ることに。
首を右側に傾けると、すぐそこに金色の双眸、そしてプラチナブロンドの髪が。
というか距離が近い。あとなんかいいニオイがする。ガキのくせに……!
というか―――。
「………あのな」
「えへへ」
大きなベッドだ。子供が二人並んで寝そべっても、スペースに余裕はあるはず。
なのに二人とも、肩と肩が触れ合って、密着してさえいる。
これはおかしい。
「エレン、くっつくと暑いよ」
「!? ………ソウジ、最近、ウチに冷たくない!?」
「そんなことないよ」
「そんなことあるっ! 添い寝くらいしてくれてもいいじゃんっ!」
「………はぁ」
俺も俺で寝つきが悪かったとはいえ、このまま夜を明かすわけにもいかず、俺はどこかテンション高めのエレンを宥めながら就寝する必要に迫られたのだった。




