ダンジョン行くってさ
「ソウジ、昨日は近くの王国の王サマから、我が傭兵団に直々のお依頼があったようだぞ」
「へぇ。そういえばオヤジが忙しそうにしてたけど、それかぁ」
「なんでも、ダンジョンの奥に、強過ぎる魔物がいつの間にか湧いてやがったらしいってさ」
「へぇ」
俺は洞窟前で洗濯物をしながら、モッチと雑談していた。
まぁ、団内で言えば一番の新入りとも言える俺は、身分的には当然ながら一番下だ。
今もいつも通り雑用に精を出しているわけなので、このダンジョンの話も「ま、俺には関係ない話」と軽く流していた。
………のだが。
「あ、ニールのアニキ……それにドラのアニキも、おはようございます」
「おう」
「ああ」
洞窟から揃って出て来た、俺の兄貴分、ニールとドラ。
片や癖毛のイケメンのニール、片や長身痩躯の目つきの鋭い剣豪風の……というか『元・さすらいの剣豪』ドラ。
どうしたのだろう。二人とも団内では割とオヤジに近しい方の実力者だが、こうして二人並ぶ姿は珍しいのに。
「モッチ、ソウジ。行くぞ」
「ああ、やっぱりか」
「?」
ニールニキの言葉に納得したように、よっこらせ、と腰を上げるモッチ。
俺は洗濯物の途中だったので、手を泡だらけにしたまま彼らを呆然と見上げた。
「行くって、どこへ?」
「ダンジョンに決まってんだろ」
「へ?」
そういうわけで、
ダンジョンに潜ることになった。




