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【毎日更新】ユウシャ・イン・ワンダーランド ――ゼロ・ローグ―― ~異世界に来た元サラリーマン、異世界ライフのスタートは野盗の群れでした~  作者: むくつけきプリン
ライフ・ライク・ローグ

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待つ

「びええええぇぇぇぇ! ぇぇぇええええええぇぇぇ!!」

「はっ!? はっ!?」

「ソウジはウチのこと捨てちゃうんだぁ! びえぇぇぇええ!!」

「え!? ちょ、どうしてそうなる!? とにかく落ち着けエレンっ―――!」

 目の前でびえぇと大泣きするエレンを宥めることしばらく。

「ぐすっ………」

「悪かったよエレン。唐突過ぎたかもな」

「ひくっ………もう、置いてく、とか、言わない……?」

「言わない言わない。ってか、そもそも誰も置いて行くなんてことは―――」

「でもアジト出て行くってそういうことじゃん!」

「ん……まぁ、確かに」

「じゃあ、やっぱりぃ……ぃ……!」

「わあっ、待て待て、泣くな! 落ち着け―――!」

 ………どうにも、俺がアジトを離れることについては、協力を得られそうにない相手だと分かった。

「………ウチも出て行く」

「はっ!?」

 おまけに。

 エレンは―――自分も一緒に行く、とまで言い出した。

 まさかまさかの意外な提案。

「いや、だとしてもお前はこのアジトに居場所があるだr―――」

「やっぱりソウジはウチを捨てて行くつもりなんだぁっ………!」

「わぁ、わあっ! 泣くんじゃないぞ、泣くな―――!」

 もう何度目か。何か下手を言ってはエレンが再びべそをかく、そんなことを繰り返す。

 堂々巡り。一向に進まない話。

 どうやらエレンはこの手の話をするのに向かないな。

 俺が俺だけの保身を考える場合、エレンは………いつの間にか、アジトより俺という存在を取るようになってしまっている。

 これは、果たしてどのように判断し、評価すれば良い事柄なのだろうか。

 言うまでもないが、俺にはこの傭兵団―――いずれ古巣となるであろうここの皆と、敵対する意図はない。

 いずれ巣立つにしろ―――せめて最後は、円満に離れたい。

「………ぐすっ………」

「悪かったよエレン。突然、変な話をして悪かった」

 これから俺は一体―――。

「そもそもオヤジがソウジのこと、どうこうするって、決まったわけじゃないじゃん………」

「………………まぁ、確かに」

 言われてみれば、そうか。

 まだ、結論を急ぐには早かった。

「んー………」

「………何よ」

 エレンを見ていると、泣き顔を見られたくないのか顔を逸らしたエレンが口を尖らせる。

 ………俺も、少しテンパって、視野が狭まっていたな。

 大泣きしているコイツの方が、まだ冷静だった、と。そういうことだろうか。

「………ありがとうな」

「!?」

 礼を言うとものすごいスピードで振り向いたので、今度はこちらが口を尖らせ、口笛など吹いて誤魔化す。

「ソウジ、あれっ!? 照れてる!?」

「照れてねぇよ」

 視界の端にプラチナブロンドの髪がちらちらして、照れくさいやら鬱陶しいやら、何だか………そう、懐かしい。懐かしい感情を思い出していた。

「うわっ、初めて見た! ソウジが照れてるトコ♪」

「照れてないってば」

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