表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【毎日更新】ユウシャ・イン・ワンダーランド ――ゼロ・ローグ―― ~異世界に来た元サラリーマン、異世界ライフのスタートは野盗の群れでした~  作者: むくつけきプリン
ライフ・ライク・ローグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/72

廃村

 一言で言えば、村が黒焦げだった。

 ………黒焦げの、瓦礫ばかりだったのだ。

「ひでぇもんだな」

 台詞の割には淡々と、ニールニキが瓦礫の山を足でどけて、下敷きになっていた人間の腕を青空に晒した。

 腕は手から肘まで、それで肘関節は少し残っていた。断面では、腐った肉の繊維はカピカピに乾いて、千切れた小さい白いウネウネが―――蛆が、湧いていた。

「女……それもガキの腕だな」

 そう言ったニールニキは、それ以上見るのをやめて別の場所へと歩いて行った。

「………」

 どうしてだろう。

 気持ち悪いのに目が離せない。

 吐きたいのに、なぜか俺は無理やりに感情を抑え込んでいる。

 前世―――俺は転生ではなく転移だろうから、そう言うのもアレだが―――とにかく、元の世界で、目の前で俺の代わりに犠牲になった少女の顔が浮かぶ。

 俺の代わりに車に轢かれ、ミンチになった少女が、その直前に見せていた顔。

 恥じらいとか、気恥ずかしさ、とにかく、そんな初々しい感情が見える、生き生きとした表情。

 ハルカ。

 俺が代わりに黒礫に貫かれ、血まみれになったら、そんな俺の顔を心配そうに、戸惑いながら覗き込んでいた表情。

 この世界に来る直前に会った、幼いハルカも。

「………」

「お、おいソウジ!」

 後ろからアルの声が聞こえる。

 けれども俺は、周りの瓦礫を持ち上げずにはいられなかった。

 ……たとえ黒焦げだったとしても。

 せめて、人らしく―――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ