平和な任務……?
「必殺! スピニングスプラッシュアンドレインボーブリッジ!!!」
『おぉ~~!』
「今日はここまで。ありがとうございました~」
全然必殺でもない技、いや大道芸のようなことを魔法で行い、村人から拍手をもらう俺。
特等席は村の子供達に譲りながらも横合いで見ていたエレンも、ちゃっかり観衆に紛れて拍手をくれる。気分はスプリンクラーみたいなことをやっていた俺はちょっと目が回ってしまったが、皆の反応は上々ってところだ。良いライブだった………じゃなくて。
「俺、何やってんだろ」
「良いじゃねーか」
「つか、また新しいこと思いついたんだな」
「よくそれほどまでにアイディアを思いつくものだな……」
ニールニキもモッチもドラも称賛してくれる。俺の苦労も報われた………じゃなくて。
……ま、今日も平和だったって思うことにするか。
午後の暇つぶし会みたいなのも終わって夕方になり、村人達は今日の娯楽も畑仕事も終え、家に戻って夕飯の支度をし始めた。その辺に良い匂いが漂い始める。
そういえば俺達は一応、持ち回りで狩りの手伝いみたいなことをして、その辺の魔物を適度に間引いている。
各家庭の夕食に並ぶ料理に肉が入っていれば、それは十中八九、俺達のうち誰かが参加した狩猟によるものだろう。
だから、一仕事終えて夕食時になると思うのだ。
ああ、今日もまた一日が終わるよ。
凶悪な賞金首への警戒しなきゃと張っていた緊張の糸が、日に日に緩んでいくのを感じるよ。
―――と、今日という日も昨日と変わらない思っていた時だ。
『ぅぎゃあああっ!?』
「!?」
村のはずれ、共同倉庫の方から悲鳴が聞こえた。ニールニキでもモッチでもドラでもない。もちろんエレンは俺の後ろにぴったりとくっついて歩いているから、彼女でもない。
「ソウジ、どうす―――」
「行こう」
「分かった!」
俺とエレンは、とりあえず声のした方向に急いだ。




