17:アリエルちゃん、聞こえているかな?
とても優しく、でも力強く、そして温かい光を感じた。
体の隅々が、その光に照らされた気がする。
ゆっくりと、冷えていた体が温かくなっていくように感じた。
とても心地がいい。
これは誰かの癒しの力だ。
私はゆっくり目を開ける。
「お、アリエルの方は目覚めたぞ」
ウリエルの声がした。
「そうか」
この声……。
「うん。顔色もよくなった。もう大丈夫だね。アリエルちゃん、どこか具合が悪いところはないかい?」
綺麗なプラチナブロンドに茶色の瞳。
澄んだ美しい声とこの話し方は……。
「ラファエル、こっちも目覚めたぞ」
ウリエルの声に、ラファエルは顔をあげた。
「分かった。アリエルちゃん、私の声は聞こえているかな?」
ラファエルの手が、私の頬を包む。
声を聞いているだけで癒される。
「はい、聞こえています。私は、大丈夫です。アクラシエルとエルサは……」
ラファエルは美しい微笑を浮かべた。
「アリエルちゃんは優しい子だね。自分のことより仲間を心配するとは」
ラファエルが私の頬から手を離し、頭を優しく撫でる。
「二人とも無事だよ。アリエルちゃんと君のお友達の力で、ちゃんと清められたから」
「ラファエル、もう一人も目覚めたぞ」
「分かったよ、ウリエル」
ラファエルはそう答えると私に微笑みかけ、そして突然顔を近づけた。
「!?」
ラファエルの容姿は中性的なはずだったが、私には美貌の青年に見えている。
つまり、耐性のない私の心臓を、飛び上がらせるほどの男前ということだ。だから、顔を近づけられた瞬間、驚きで体が固まった。
ふわっと森林を思わせる清々しい香りがする。
そして額に温かみを感じた。
あ……、これは祝福を与えてくれているんだ。
身を硬くしたことが恥ずかしくなっていた。
すぐに額から唇を離すと、ラファエルは私から離れた。
「君はアクラシエルだね。気分はどうだい?」
アクラシエル!
私が横を向くと。
「!!」
美しいサファイアブルーの瞳と目が合った。
一気に心拍数が上がる。
ラファエルも美貌の青年だったが、私の好みの軍配はウリエルに上がっている。
だからこんな風に見つめられると、驚くし、緊張するし、メロメロになってしまう。
私は慌てて薄手の掛布団で顔を隠した。
「アリエル、なんで顔を隠す?」
ウリエルが私の頭に手をのせた。
そしてそのままその長い指を、私の髪に絡める。
ううっ。
イケメン耐性がない私には、非常に厳しい状況だ。
こんな風に触れられた経験、前世ではもちろんない!
……プレイしていた乙女ゲーの中ではあるけど。
でもゲームと現実じゃ全然違う!!
ウリエルはどんなにイケメンでもプレイボーイだ。心を持っていかれてはならない。
そう頭では分かっていても……。
「おい、アリエル、顔、赤いけど、大丈夫か」
がっつり掴んでいたはずなのに、ウリエルは簡単に掛布団をめくり、私の顔をのぞきこんでいる。
イケメン過ぎるウリエルの顔が間近にある状態に、そう長く耐えられるはずがなかった。
もう顔を隠すものはない。
私はがばっと起き上がると、そのままウリエルがいるのとは反対側の床に降り立った。
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次回更新タイトルは「興味をなくす」です。
明日もまた読みに来ていただけると大変嬉しく思います。
それでは明日もよろしくお願いいたします!










































