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第9話:文太くん人形のリリック

「――お、こっちのボタンは拡声するようだね」

 別のスイッチを入れて、メガホンのように拡声することを発見した一ノ瀬。名誉挽回とばかりにアカペラで歌う彼女をよそに、サトウは棚にあるボックスの中身を見てみる。中にあったのは、煙玉やかんしゃく玉、ロケット花火にロープなど、文太が日頃から悪戯などで使っている道具の数々。この棚は、玩具箱のようなものなのだろうか。

 それにしても、子供の玩具箱といえば雑多にものが詰め込まれているようなイメージがあるが、この棚の中身は綺麗に整理整頓されている。

 横から覗き込んできたヤマジが、感想を漏らす。

「色々あるねぇ」

「だなぁ。悪ガキにしては、整理整頓ができてるじゃないか」

 とはいえ、他にこれといったアイテムもなさそうだ。ボックスをしまうと、サトウは一ノ瀬が持つガイコツマイクと白いサイコロを見ながら顎を撫でる。

「ふむ、確かホールのサイコロの台座には、四角い穴があったろ」

「ああ確かにありましたね」

「サイコロはそこで使うんじゃないかな。あとマイクは①の人形にくっつくんじゃないのかい?」

 その言葉を受けて、一行はホールの水晶ダイスまで戻ってきた。まずは真っ白なサイコロを、水晶の台座に空いた穴に入れてみる。

 ……何も起きない。

 気を取り直して、足の裏に①と書かれた文太の人形の手に、ガイコツマイクを嵌めてみる。

 すると自動的にスイッチが入り、例のビートと文太の歌声が辺りに響きだした。


※①


笑う門には福来る? ここの角からは鬼来たる

鬼は猟犬 執拗な[追跡(チェイス)] 時が来れば繰り返す

賽は投げられた半か丁か 見分けつくか真か贋か

奴らの出口を無くしたいなら 『丸くなる』ことやってみな



 どうやら人形が置かれていた部屋やこの場の状況などについて、歌で示しているらしい。足の裏の番号順にマイクを持たせ、順番に歌を聞いていく。


※②


安易に置かないしっかり整理 管理キッチリのおもちゃ部屋

どこかに転がる1つのダイス それで決まるかも君らのライフ

なんにも書かれていないブランク だけど重要度ランクはトップ

1面書けば6面にトレース これで君らの運命をチョイス


※③


冬と言ったらこたつにみかん 正義に文句を言っちゃいかん

頑固オヤジは絶対認めん こたつでアイス? 聞こえんな

オヤジバッサリ断じる邪道 こっそりやってるボックスシャドー

あーだこーだと口うるさいなら 頭丸めて一昨日来い


※④


職人気質の頑固オヤジさん それが三田村 源蔵さん

頭はボサッとしているけども ボヤッとしてたら雷ドカーン

たまには癇に障るらしい ボクの愉快なトーキング

そんな時には常々言われる 「テメェのお口をコーキング」


※⑤


笹川神社に神主いない 常に無人のこの境内

社の辺りでよく見かけるのは意外と賢い三毛の野良猫

指示に従い動いてくれる 犬のしつけがあほらしくなる

家に入れば皆の癒し 猫はこたつで丸くなる



 全ての歌を聞き終えた一行は、腕を組んで考え込む。

「バリカンで全員頭を丸めて、こたつのある部屋に猫を連れてきて、ミカンでも食べるのかねぇ? 1面に書いたら6面にトレースって、真裏じゃないかい?」

「それは多分、どこか一か所に目を書いたら、他全ての面がその目になるってことだと思うけどね」

「なるほど。ただ、それにしたって『運命のチョイス』はわからないなぁ」

 そんな話し合いをしている間に、水晶の中のダイスが回り始めた。

本シナリオにおいては、文太君がノリノリでラップを歌います←

その際のビートについては、以下の音源を参照しております。↓


ラップビート "Champion" Prod. K3NTA

https://www.youtube.com/watch?v=wegBElfYuU0

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