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二日目 昨日のリベンジ

投資分を少しでも取り返そうと文章に書き起こす。それが糧となるかは不明。

「こんな近くにZが入ってたとは……」


 家に帰って心残りだったのは、Z機種の大当たりを見れなかった事だった。5千円で190回転、1パチで倍回してたら当たった可能性は高くなる。

 パチンコは確率の遊戯。

 大当たりを引く確率は、100%にはならないので、最終的には回し続けるしかない。

 となれば回転数のいい台を見つけて、資金をつぎ込むのが単純明快な回答だ。1パチなら2パチの倍は回せる。それだけ当たる可能性は増える、単純な理屈。

 回る台を見つけるには、色んな台から選べる方がいい。


 そんな中、稼働2ヶ月にも関わらず、1パチのZが9台もある店が、自宅から徒歩5分ほどの距離にある事を知ってしまう。

 この週末の予算は1万円で考えていたが、最後に巻き返して4千円残った。2円パチを打ってた事を考えれば、倍近くプレイできる……などと自分に理屈を付けて、行く理由を探してしまっていた。



 翌日の日曜日、俺は性懲りもなくパチンコ店の前にいた。昨日見つけてしまった1パチZが9台も設置されている店だ。

 店内に入った第一印象は広い。いや、店外にも駐車場があるくらいなので、敷地面積で言うと4倍以上あるだろう。都心部と地方の違いと言える。

 中も景品の交換カウンターからして大きく、店内の間取りも広々と使われている。パチンコ台の大きさは同じなので、左右の間隔は変わらないのだが、後ろの席との距離、通路の広さに余裕があった。

 他にも女性専用コーナーや、禁煙コーナーが設けられてきて、細かなニーズに応えてるように感じられる。


 入り口に近い辺りに1パチが並んでいて、その中でも更に手前の方が人気、新機種のようだ。稼働2ヶ月のZも入ってすぐの島に並んでいた。

 開店から30分、既に3人の客が座っていたが、まだ6台も残っている。その中から、データを見て回転数が多い機種に座ってみる。

 大当たりの回数よりも、よく回ってそうな台を選んでみた。



「さて開始だな」


 俺は千円を取り出し、左上のスリットに挿入。玉が貸し出されてスタート。最初はキリマンジャロステージ、フォウがターゲットだ。昨日と同じということは、電源を入れて最初はここになっているのかもしれない。

 朝1でまだ感覚が掴めていないのか、やや回転の悪さを感じる。そんな中で最初のリーチがそのままバトルへと発展、特に熱い演出はなかったので期待もせずに見ていると、案の定アムロは撃墜。

 追加の演出としてステージが切り替わる時に、ハマーンの線画が浮かび上がる。これもそれなりに見た演出でそこまて注視はせず、どちらかというと、玉の流れに意識がいっている。

 ん、少し長いか?

 と意識が液晶画面に戻ったら、線画に色がついて謁見エピソードに発展した。


 前作の敵側王族の血を引く少女との謁見が叶えば、ほぼ大当たりとなるが……扉は開かれずに終了。

 そのまま熱い演出は無いままに、千円分も終了してしまった。回転数は60回と、4円の千円分に換算すると15回転とかなり厳しい。

 さっさと移動することに。


 同じくZガンダムの2台目。

 こちらもキリマンジャロスタートで幾つかのリーチは出るものの、さしたる発展はないままに過ぎていく。

 そしてサイド2へとステージが変わって、徐々にシーンも移っていく。Zガンダムは、舞台となる場所ごとにステージがあり、その中で4シーンに分かれている。

 大抵は1シーンから始まり、リールが回って演出が挟まっていくと、シーンが進んでいく。たまに1から3へと飛び級したり、逆に3から2に落ちたりもする。

 4シーンまで進むと、そのステージのターゲットとなるキャラクターと戦う事になり、自動的にリーチは掛かるようだ。


 サイド2のターゲットはレコア。コロニーに毒ガスを撒こうとしている所を、メタスに乗ったファが止めに行くというシチュエーション。しかし、メッサーラに乗ったレコアに阻止されて画面が停止、リーチ目で数字が重なっていく。

 そこに役物が動いて、主人公機の戦闘機モードへと変形。そのまま、主人公のカミーユが参戦。それでもまだ弱いのだが、ここで更なるカットイン。ボタン連打を示唆する画面が挿入される。

 台の手前にあるボタンを押していくと、4つくらいの小さな画面から、赤枠の1枚が選び出された。そこに映っているのは、金色のMS。前作の赤い人こと、クワトロ大尉の乗る百式だ。3Dのポリゴンモデルが神々しい光をまとって参戦。


「こ、これは熱いんじゃないか!」


 食い入るように画面に集中する。戦闘が進んでいき、敵の攻撃が主人公に迫る。これを回避して反撃で大当たり!

 のはずが、そのまま「うわあぁぁ……」という声と共に暗転。


「え、マジで、今ので、はずれるのか……」


 主人公に加えて大尉まで参戦して、外れるとか……精神的ダメージは大きい。その上、千円が終わった所で、58回転と最初の台よりも回らなかった。

 引きずる思いがありながら、次の台へと移動した。



 そろそろ人も増えてきて、Zガンダムも席が埋まっていく。これ以上の移動は厳しそうだ。

 これが回らなければ、他の機種に移動かなぁ……そんな諦めが入りつつも打っていく。すると、今までの台とは少し感触が違う。

 盤面中央のスタートチャッカー付近への玉流れが多い。その玉が結構跳ねる。釘の並びが悪いのか、ポンポンと踊るように転がっていく玉は、何ともランダムな動きになっていた。

 左打ちの時は、スタートチャッカーへも左から入っていく事が多いのだが、この台は行き過ぎてから、跳ねて戻ってくる。するとその間に新たな玉がやってきていて、丁度スタートチャッカーの上でぶつかり、1つがチャッカーへと落ちていく。

 見ていて安定感は無いのだが、ナゼかリールは回っていく不思議な台。

 最初の千円の時点で78回転と、節目の80回転には届かなかったが、今日打った台では抜群の回転数になっていた。


「ここに腰を落ち着けて打つか」


 他のZガンダム台はほぼ埋まり、残りは少し打ってすぐに席を立つ人が多い台くらい。これ以上を求めるのは厳しそうだというのもあった。



 それからプレッシャーでレベル2まで上がったバトルが何度かあったが、大当たりまで発展せず、3千円が消費されていた。回転数も徐々に落ちてきている。

 どうしたものかなぁと思いながらも、舞台はキリマンジャロへと戻ってくる。メインヒロインのフォウが相手のステージ。シーンが進んでいって3シーンから、主人公機の顔が映ってプレッシャーからレベル3まですすみ、赤枠の中、セリフの字幕も赤色に。少し期待が持てるかと思った矢先に、役物が降りてきて戦闘機モードへと変形。主人公の参戦カットインが挿入される。

 リーチ目もダブルリーチで、かなり熱い。

 やがて確変目でリールが止まりそうになる……が、そのままスルー。続けて通常目で数字が止まりそうになって……役物が落ちてきて、MS形態へと変形が完了。


『遊びでやってんじゃ、ないんだよ!』


 という主人公のセリフと共に大当たりが確定。その後、当り目が回転してきてボタンを押せの示唆。ここで確変への昇格が決まる…

…がそのまま通常目で確定。

 右打ちの大当たりモードへと入っていく。

 これも6Rとやや短めで終了。

 そのまま時短のチャンスモードへと突入。特に演出もなく、引き戻せるとは思わなかったのだが、ここでいきなりアニメのラストシーンが始まった。

 ラスボスであるシロッコとカミーユのバトル。フォウやエマといった戦争で死んでいったヒロインが、カミーユと共にシロッコの乗るジ・オに特攻を掛けるシーンが再生されていく。

 もう大当たりがどうこうというより、アニメのラストシーンに見入ってしまう状況だ。

 やがて主人公のヘルメットが割れながらも、ジ・オのコックピットにウェーブライダーの先端が突っ込み、シロッコが吹き飛ばされていく。


『貴様の心も一緒に連れて行く!』


 苦し紛れのセリフはその後の展開にも繋がっていたのだが、パチンコ上ではここまで。役物がMSへと変形して、大当たりの引き戻しに成功した。

 しかも確変目。

 ラウンドは3とかなり短いが、3ラウンド後に『Battle of Z』モードの突入。これはライバルキャラとのバトルで、勝利すれば16Rに昇格できるチャンス。

 更には無敵ゾーンという赤い文字がプラスされていた。相手はカミーユのライバルとして、最初から最後まで絡んできたジェリド・メサ。先制は取られるものの、ビームサーベルで反撃。次の攻撃も先制されて、反撃なし。ラストラウンドにようやく先制となるが、一番弱いビームサーベルのまま……希望を託してボタンを連打するが、あえなく敗北。

 一応、確変ではあったので、通常ボーナスへと進み、時短チャンスゾーンでも引き戻せずにその大当たりは終了した。


「シロッコとのラストバトルシーンとはなんだったのか……」


 演出の割に出玉はさほど伸びておらず、2000発ほど。妙な消化不良感を抱えて、その台を継続する事にした。

Zガンダムは好きな作品なので、演出は見ていて楽しいのですが……やっぱりハズレが続くと達観してきます。

熱い演出でも「外れるんでしょう?」が7割、3割くらいの期待で眺めてました。

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