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最終話

「・・・だ、大丈夫かな?嫌われてたりしないかな・・・」


 今早紀は龍夜と志乃とともに海斗の病室の前に立っていた。目的はもちろんお見舞いなのだが、昨日のあれから結局海斗は意識を取り戻さなかった。


 というのも早紀が傷だらけの海斗に思い切り抱きついたことによって傷口が開いてしまい、激痛によってまた気絶してしまったからである。


 早紀達はその場にいた医師達によって強制退出を余儀なくされ、結局病院に止まって行ったのである。


 そして起きた時に海斗が目覚めた、という吉報をうけ慌ててここに来たという訳だ。


「それにしても、いくら海斗でもあれは痛そうだったな」


「そうだね・・・確かにあれはちょっと・・・」


 昨日の一部始終を見ていた龍夜達は苦笑いをするしかない。


 で、早紀は昨日のこともあるしひどいことをたくさん言ったこともあって顔を会わせづらくかれこれ十分程ここに立ち往生しているということだった。


 しかしそわそわと動く腕や体からして会いたくてたまらないのだろう。会いたいけど会いづらいという複雑な気持ちのまま早紀は踏ん切りがつかないのであった。


 しかしそこに意外な人物から声がかかった。


「三人とも、いつまでそこにいるんだ?早く入ってきたらいいのに」


 と、とっくの昔からそこにいるのがわかっていたらしい海斗から声がかかった。


 その声に押されてようやく早紀がおずおずと扉を開けて中に入った。




「・・・うわぁ、凄いですね・・・」


「なんじゃこりゃ、花畑かここは・・・」


 そう、ここには昨夜きた同級生が置いて行った花束でいっぱいになっていた。


「ははは・・・母さんが余計なこと言ったみたいで・・・こんなに来たらしいんだ。寝てたけど」


 と海斗が少し困ったようにいうと、いつもと変わらない様子の海斗に早紀がおずおずと話しかけた。


「あ、あの、海斗?えっと、その・・・怒ってないの?」


 怖くて海斗の眼を見れなくている早紀に海斗は手招きをした。


 それに寄せられるように早紀が海斗のそばに行くと海斗の手が優しく頬にそえられた。


 ビックリして思わず顔を上げた早紀の眼に映ったのはいつもと変わらない、いつも以上に優しげな顔をして微笑む海斗の顔があった。


 その眼の輝きに吸い込まれそうになりながら早紀は必死に謝ろうと口を開きかけた。しかし


「あ、あの・・・んっ」


 それを塞ぐように海斗が口づけをしてきた。それだけでもう天にも昇りそうになった早紀はそのまま海斗に身を任せた。


 そして海斗はすっと身を引いた。早紀は海斗を見つめ返したがその眼の奥にある優しさと愛情に何も言えず眼からは涙があふれてくる。


 そして二人はもう一度どちらともなく顔を近づけた。





 


 ついに最終話更新しました。

 今まで一ヶ月半程の期間でしたが読み続けてくださった方々、ありがとうございます。これにて最強の魔術師!完結です。

 続編は書こうかどうか迷っています。希望がありましたら書くかもしれません。

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